東京都の自殺対策補助金制度
東京都は「地域自殺対策強化補助事業」を平成27年度から実施し、同時に「新型コロナウイルス感染症自殺防止対策事業」を令和2年度から令和5年度まで実施した。
本制度に基づく補助金交付決定額は約4,900万円であり、2026年8月24日に「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」を根拠に取消された。
特定非営利活動法人「再チャレンジ東京」の概要
再チャレンジ東京は平成19年10月に元公明新聞記者の平林朋紀が中小企業経営者の自殺防止を目的として設立した。
所在地は東京都新宿区新宿六丁目28番8号 ラ・ベルティ新宿901である。
報告上の事業内容は作文コンクール、学校出前授業、個別相談等の自殺防止活動である。補助金交付申請は平成30年度から令和6年度まで行われた。
令和7年10月29日に破産手続開始が決定し、同日解散した。破産状態により、交付済み約3,779万円の回収は不可能となった。
不正行為の内容
架空計上と水増し
- 2018年度から2024年度の7年間、審査員・講師への謝礼を実際に支払っていないにもかかわらず架空計上した。
- 作文コンクール審査員および学校講師への謝礼を水増しした。
- 授業・個別相談の実施回数を水増しし、報告では「62日間個別相談を実施した」としたが、外部相談員の証言により実施は一度もなかった。
- 偽造領収書を提出し、5社・33人分の金額を架空計上した。
- 虚偽実績に基づく補助金交付申請により、約4,900万円の交付決定を得た。
理事長の認識
東京都の調査に対し、理事長の平林は実績水増しは「事業の赤字が生じないようにするため」だったと認めた。2025年1月の現場視察で外部相談員の説明と事業計画が食い違っていることに気付いたことが不正発覚の契機となった。
東京都の調査と処分
2025年1月に現地視察で不正の兆候を確認し、以降ヒアリングを実施した。
2025年6月30日に公益社団法人「日本駆け込み寺」へ約2,355万円の補助金返還命令を出した。
2026年8月24日に再チャレンジ東京への約4,900万円の補助金交付決定を正式に取消し、約3,779万円の返還を請求した。
警視庁新宿署に不正受給被害の相談を行い、回収不能と判断された。
今後は補助金審査体制と事後確認の強化、抜き打ち現地確認の徹底が発表された。
影響と課題
破産したNPOからの約3,779万円の回収が不可能となった。
不正が約7年間継続したことにより、書類審査だけでなく実績の現地検証が求められる。
同様の補助金制度に対しては、審査基準の見直しと定期的な実績確認が求められる。
解散後も後継団体が自殺対策事業を継続しているとの報道があり、継続的な監視が必要である。
平林朋紀の認識が公表された。
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