2026/08/25

2026年版年金生活者支援給付金の全貌と申請手順


制度概要と法的根拠

年金生活者支援給付金は、2019年10月に消費税率が8%から10%に引き上げられたことを受け、同年10月1日に施行された「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」に基づき創設された恒久制度である。

財源は増税分の全額を国庫が負担し、老齢・障害・遺族の3タイプの低所得年金受給者の生活を支援することを目的としている。

制度は厚生労働省と日本年金機構が運用し、日本年金機構が請求書(はがき型)等の通知・手続きを担当する。

支給額(2026年度)

2026年度からの月額は5,620円に増額され、前年度の5,450円に対し170円(+3.2%)の上乗せとなる。

  • 老齢:5,620円(夫婦合計11,240円)
  • 障害1級:7,025円
  • 障害2級・遺族:5,620円

遺族の場合、複数子が受給すると5,620円を子人数で等分する。

対象者と支給要件

老齢年金生活者支援給付金の対象は、65歳以上で老齢基礎年金を受給し、同一世帯全員が市町村民税非課税であること。

前年の年金等収入+その他所得が、昭和31年4月2日以後生まれは809,000円以下、以前生まれは806,700円以下であることが上限条件となる。

上限を超えても、809,001円〜909,000円(以後生まれ)または806,701円〜906,700円(以前生まれ)の範囲内であれば補足的支給の対象になる。

障害年金生活者支援給付金は障害基礎年金受給者で、前年所得が扶養親族数に応じた加算を含め4,794,000円以下であることが要件である。

遺族年金生活者支援給付金は遺族基礎年金受給者で、同様に前年所得が4,794,000円以下であることが必要である。

厚生年金受給者は老齢基礎年金受給があれば対象になる可能性があるが、厚生年金収入が所得判定に含まれ基準を超えると対象外となる。

世帯を分離すれば住民税非課税要件を満たすケースもあるが、保険料算定等への影響がある。

給付金の計算例

老齢年金生活者支援給付金は次の式で算出される。

5,620円 × 納付済期間 ÷ 480 + 11,768円 × 免除期間 ÷ 480(免除が1/4の場合は5,884円を使用)

  • 納付480月(全額納付) → 月額5,620円(年額67,440円)
  • 納付360月+免除120月 → 月額7,157円(年額85,884円)

障害・遺族支給金は等級別に定額で支給され、遺族の場合は子が複数いると5,620円を子人数で等分する。

申請手続き

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)は毎年9月第1営業日以降に日本年金機構から送付される。

必要事項を記入し、切手を貼付して投函すれば手続きは完了する。添付書類は不要である。

マイナンバーカードとスマートフォンを用いた電子申請も可能であり、はがき郵送は不要になる。

新規受給者は65歳で老齢基礎年金新規請求時に支給請求書を同時に提出すれば対象になる。障害・遺族基礎年金の新規請求者は年金事務所で支給請求を希望すれば書類が送付される。

既存受給者は9月に送付されたはがき型請求書を記入・切手貼付・投函すれば、翌月分から支給が開始される。切手忘れや未投函は支給遅延の原因となる。

目・肢体不自由、認知症等で自筆が困難な場合は代理人が代筆し、ファクシミリでの相談も認められる。

支給スケジュールと振込方法

支給は偶数月の15日(平日が休日の場合は前営業日)に行われる。

対象月の前月・前々月分の2か月分をまとめて振込む。

2026年の支給日は2/13、4/15、6/15、8/14、10/15、12/15である。

振込は年金と同一口座に別名義(例:「ネンキンキュウフキン」)で行われ、支給決定通知書は請求書提出後1〜2か月で届く。

ハガキ未届時の対処法

未届の主な理由は住所変更未届け、所得・世帯条件未達、ハガキ紛失、郵便事故である。

  1. 給付金専用ダイヤル(0570‑05‑4092)へ電話する(050からは03‑5539‑2216に転送)。
  2. 年金事務所窓口で再送・再発行を依頼する。
  3. マイナポータルやねんきんネットで請求書の有無を確認する。
  4. 必要に応じて住所変更届出・所得・世帯情報の確認・修正を行う。

ハガキの再発行は年金事務所窓口、給付金専用ダイヤル、またはマイナポータルから申請できる。

税務上の取扱い

年金生活者支援給付金は非課税所得である。

確定申告・住民税・国民健康保険料・介護保険料の算定に影響しない。

前年の所得判定に給付金が含まれても、給付金自体は課税対象外である。

注意点・除外ケース・詐欺防止

支給除外は日本国内に住所がない、年金全額停止、刑事施設等に拘禁されている場合に該当する。

前年所得が基準額を超える、世帯に住民税課税者がいる、国外転出、死亡、障害等級変更、遺族子の年齢が18歳超の場合も対象外となる。

日本年金機構・厚生労働省は電話で家族構成・口座情報・手数料・振込を求めない。疑わしい連絡は年金事務所または警察へ相談。