中国の経済・労働市場の現状
景気減速が続いている。大学卒業生の就職先が見つからない状況が深刻化している。2024年の都市部平均失業率は約5%である。16~24歳の若年層失業率は高止まりしている。
ギグワークの実態と規模
美団、餓了麼、滴滴出行などのITプラットフォームで数千万人が単発・短期の仕事に従事している。正規雇用者に比べ社会保険・医療・年金の適用が限定的である。労働災害保護も脆弱である。時間の自由はあるが、社会保障は手薄である。
統計と将来予測
中国新就業形態研究センターの推計によると、常用フルタイム契約を結んでいない就業者は2025年に2億8,000万人、2026年に3億2,000万人になるとされている。これは都市部労働力の約44%に相当する。単発労働者は就労人口の4割以上を占める。
張丹丹氏の発言
北京大学国家発展研究院副院長・経済学教授の張丹丹氏はCCTV「レッツ・トーク」で、正規雇用は年金等の保障と引き換えに時間の自由が少ないと説明した。ギグワーカーは保障が少ない代わりに時間の自由があると主張した。働く時間を自由に決められること自体が福祉であると述べた。
国内の反応
発言はSNSで数万件のコメントが寄せられ、激しい批判が広がった。主な批判は以下の通りである。
- 「安定した仕事を持たない人の傷口に塩を塗る」旨の指摘。
- 配達員・宅配員がアルゴリズム競争で休めない現実への指摘。
- 「柔軟な働き方は希望ではなく避けられない選択」への非難。
- 「柔軟性で搾取を美化するな」への警告。
メディア報道
CCTVは同番組で張氏の発言を放送した。新華社は放送直後に視聴者から強い反発が出ていると報じた。環球時報は「到底受け入れられない」という声が広がっていると指摘した。中国網は国民の怒りが急速に拡大し、炎上は社会的不安の噴出と分析し、政府が労働者保護制度の見直しを検討する可能性が指摘された。上海電視台は街頭インタビューで、ギグワークは自由ではなく選択肢が無い人が追い込まれて選ぶ最後の手段であると報じ、安定した雇用確保と生活保障の強化が不可欠とした。
政策と今後の展望
- 2021年にプラットフォーム労働者の労働関係明確化と社会保障拡大を目指すガイドラインが発表された。
- 炎上を受けて労働者保護制度の見直しが議論されている。
国際比較
日本政府は2024年にフリーランス・ギグワーカー向けの保護法を施行した。
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