2026/08/25

ビフィズス菌ヨーグルトで老化速度2.3%低下—日本初


研究背景と目的

森永乳業はヒト常在性ビフィズス菌(HRB)に関する基礎・応用研究を50年以上実施し、HRBが1500万年以上ヒト祖先と共進化したことを示唆している。

同社は2026年7月27日に、ビフィズス菌BB536配合ヨーグルトと生活習慣改善による老化速度抑制の臨床試験結果を発表した。本試験は日本初の食品介入による老化速度抑制臨床試験として、2026年5月29日に学術誌『Aging』に掲載された。

使用したビフィズス菌と製品

BB536はヒト腸内に常在するHuman‑Residential Bifidobacteria(HRB)株で、乳児から分離された。

酸と酸素に対する耐性が高く、大腸まで到達可能である。

本研究で使用した製品はビヒダスヨーグルトシリーズ(プレーンヨーグルト)で、1日100 gを摂取した。

臨床試験デザイン

探索的無作為化非盲検並行群間比較試験として実施された。

介入期間は3か月である。

対象はBMI≥25の50〜74歳過体重男性48名である。

介入内容

介入群は以下の3点を実施した。

  • BB536配合ヨーグルト100 g/日
  • 過食・間食・加糖飲料の抑制を目的とした食事指導
  • ウォーキングまたはステッパーを30分/日、週3回以上実施する運動指導

非介入群は生活習慣の維持指導のみを受けた。

評価指標

老化速度は血液DNAメチル化情報から算出されるエピジェネティック・クロック「DunedinPACE」で評価された。値が低いほど老化進行が緩やかと解釈される。

主要結果

介入群は非介入群と比較し、老化速度が約2.3%有意に低下した(p<0.05)。介入群21名のうち9.8%で老化速度低下が確認された。

相関係数はBMIで0.16(p=0.49)、運動頻度で‑0.04(p=0.85)であり、いずれも統計的に有意な関連は認められなかった。

体重等の測定は実施されたが、老化速度変化との因果関係は確認されなかった。

本研究の老化速度低下は、米国で約25%のカロリー制限を2年間継続した研究と同等と評価された。

学術的コメント

「3か月で約2.3%の老化速度低下は実現可能な介入として評価」―小田巻俊孝(バイオティクス研究所長)

「ビフィズス菌は1500万年以上ヒトと共存し、老化抑制の可能性を示す重要な微生物」―宮地一裕(取締役常務執行役員研究本部長)

「DunedinPACEの有意低下は『非常に重要』と評価、腎機能指標との関連性にも関心」―内藤裕二(京都府立医科大学教授)

課題と今後の研究計画

ビフィズス菌単独摂取の老化速度への影響を検証する追加臨床試験が計画されている。

海外展開と製品応用を通じた健康増進への貢献が目指されている。

市場へのインパクト

老化速度抑制効果のエビデンスは健康食品・機能性ヨーグルト市場での差別化要因となる。

日本初の実証データは国内外の規制当局や投資家への説得材料として活用可能である。