2026/08/25

2026年産米概算金40%激落、在庫余りで農家危機


JAしまねが公表した2026年産米の概算金

2024年12月24日に公表された2026年産1等米の概算金は、コシヒカリが60kg当たり16,000円、きぬむすめが15,800円、つや姫が16,600円である。いずれも2025年産に比べて約40%下落した。

全国的な在庫増加と価格下落の背景

2025年産米は高騰後に大量余剰となり、在庫は155万トンから243万トンへ拡大した。2026年6月末時点で全国民間在庫量は243万トンに達し、需給バランスが崩壊した。JAは在庫増加が概算金引き下げの主要要因であると説明している。

北海道・北信越の3県でも2026年産概算金は前年比20〜40%下落した。新潟、富山、石川、岩手、愛知等の各県でも概算金がコスト指標20,535円を下回るケースが多数報告された。

買取価格と小売価格の乖離

JAは新米を1kgあたり266円で買取っている。この金額は前年比約40%下落した概算金と同等の減少幅である。小売店は買取価格の約30%は下落していないと指摘し、買取価格と店頭小売価格の乖離が生じている。

買取価格の低下は、同時期に市場全体で取引価格が下落していることと連動している。

米市場の取引価格動向

  • 令和7年10月のピークは玄米60kgで37,058円。令和8年7月には約12%下落し、32,486円となった。
  • 2026年産新米は2025年産米より500円安い「価格の逆転現象」が確認された。
  • 早期米(九州等)は5kgあたり約3,000円まで下落した。

コスト指標との比較

公益社団法人米穀安定供給確保支援機構が公表したコスト指標は玄米60kg=25,350円である。コシヒカリの概算金16,000円は指標を4,000円以上下回っている。

概算金の支払い仕組みと地域別支払形態

概算金は集荷時に農家へ前払いする仮渡金である。販売後に販売額が概算金+経費を上回った場合に追加払いが行われ、保証はない。

支払い形態は地域により異なる。北海道、富山、新潟などは全農県本部からJAへ概算金が支払われ、福井、島根、香川、三重はJAが直接農家へ「生産者概算金」を支払う。

概算金が低位に留まり、追加払いが減少傾向にあることは、米余りが続く限り変わらないと見込まれる。

組合長の発言と課題認識

JAしまねの竹下克美組合長は記者会見で「生産者の失望は想像するに余りある」と述べた。概算金が指標を4,000円以上割り込んだことが心理的打撃と指摘した。

同時に、離農者の増加を最大の懸念として防止策の早急な検討を表明した。

農家の経営状況

概算金の下落と米余りにより収入が大幅に減少した。肥料・資材・燃料・人件費の高騰と相まって、経営圧迫が深刻化している。価格下落に伴う離農増加のリスクも指摘されている。

市場供給と政府備蓄米の影響

米余りが続く限り概算金は低位に留まり、追加払いも減少傾向にある。政府備蓄米の買戻し判断は在庫・作柄に左右され、概算金に影響を与える可能性がある。

関係者のコメント

  • 5chスレッドには「JAは中抜き組織である」との批判書き込みがある。
  • まるごう川津店の八幡浩店長は概算金引き下げにより顧客に安価提供が可能となったと歓迎し、在庫処分が課題であると指摘した。
  • アグリードいずもの黒田幸司組合長は、作柄は豊作でも概算金引き下げは農家の死活問題であり、経営圧迫につながると警告した。
  • 全農・各県本部は県単位で玄米60kg当たりの概算金を決定し、地域差があることを説明している。公表形態は「決定」(JA・全農自ら公表)と「報道」(取材で判明だが未公表)に分かれる。