在留手数料引き上げの決定
2024年8月25日と2026年8月25日の閣議で在留手数料の大幅引き上げが決定された。適用開始はそれぞれ2024年10月1日、2026年10月1日である。平口洋法務大臣は本施策を「秩序ある共生社会に向けた施策」と説明した。
法的根拠と施行時期
入管法は2025年5月(2026年5月)に改正され、在留手数料の上限は10万円、永住手数料の上限は30万円と規定された。
具体的な金額は2025年7月(2026年7月)に公表された政令改正案で定められた。この政令は2024年10月1日(2026年10月1日)に施行される。
新しい手数料体系
- 在留資格変更・期間更新(現行:窓口一律6,000円、オンライン5,500円)
- 在留期間に応じた段階制:3か月以下10,000円、6か月以下18,000円、1年33,000円、3年未満64,000円、5年以上75,000円
- 永住者手数料は現行10,000円から200,000円に引き上げられる
- 特定技能1号・2号の更新手数料は6,000円から、1年更新33,000円、6か月更新18,000円に変更され、5年で合計132,000円となる
- 特定技能2号・長期在留はさらに高額な段階制が適用される
- COE(在留資格認定証明書)申請手数料は変更なしで無料である
オンライン割引と対象外条件
オンライン申請では区分ごとに3,000円から10,000円の割引が適用される。最長5年以上の在留期間は75,000円が65,000円になる。3か月以下および永住のケースは割引対象外である。
適用基準と手続きの留意点
- 2024年(2026年)10月1日以前に受付された申請は旧手数料(6,000円・10,000円)で納付できる
- 受付日が基準日以降の申請には新手数料が適用される
- 在留期間更新は許可期限の約3か月前から受付可能である
- 資格変更は期間制限がない
- 永住許可は受付時期に制約がなく、9月中に申請すれば10月以降でも旧手数料で済む可能性がある
支払方法
窓口では収入印紙で支払う。オンラインでは収入印紙代をクレジットカード等で電子納付できるが、手数料自体は紙ベースの印紙代に相当する。
減額・例外措置
- 生活保護法の「要保護者」程度の困窮、または人道的配慮が必要な者は、在留資格変更・更新手数料を最大10,000円、永住手数料を最大20,000円に減額できる
- 単独で子どもを養育する在留外国人が「特定活動」へ変更する場合も減額対象に追加される
- 難民認定申請者の90%は減額対象外である
- 減免の適用範囲・手続き・必要書類は未公表であり、今後の政令・ガイドラインで確定する
- 日本弁護士連合会は要件の不明確さを批判している
財源確保と目的
在留外国人の増加に伴う出入国管理費用や日本語学習プログラム等の財源確保が目的である。
手数料は約1万円の実費に加え、約572億円の政策費用を中長期在留者約291万人で割った結果、年間約2万円が在留期間に応じて加算される。
パブリックコメントの概要と政府の対応
7月初めから約1か月間で10,000件超の意見が寄せられた。賛成意見は在留外国人増加抑止や日本人雇用保護を根拠に手数料引き上げを支持した。反対意見は国際的人材獲得競争で不利になるとの指摘が中心であり、「外国人との共生社会の実現に反する」旨の意見も含まれた。
政府はコメントを踏まえたが、手数料額は修正せずに決定した。
企業・業界への影響
在留資格変更・更新の窓口手数料が1年更新で33,000円であるため、10人を雇用する企業の年間コストは約33万円と示されている。
行政書士法人Treeは特定技能外国人の駆け込み申請支援やオンライン申請活用支援を提供している。株式会社KMTも同様に特定技能外国人向け支援を行い、取引実績は181社、支援実績は750名である。
手数料表の公開
日本語版(2.0 MB)と英語版(581 KB)の手数料表がPDFで公開されている。
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