政策決定と審議プロセス
2026年8月24日に開催された徳島地方最低賃金審議会第5回審議会は、時給1,046円から57円(5.4%)増の1,103円への引き上げを決定した。
提案は2026年7月30日から計4回開催された専門部会で公益代表委員が提示し、採決で多数決が取られた。
答申は局長の亀井崇へ提出され、異議申し立て手続きの後、2026年11月1日適用が見込まれる。
審議会は会長段野聡子(徳島大学教授)、局長亀井崇(徳島労働局長)、公益代表委員、使用者側委員(脇田亮等)、労働者側委員(UAゼンセン辰巳明宏等)で構成された。
公益代表委員は5.45%増の案を提示し多数賛成を得た。使用者側委員は56円増を提案し譲らず、労働者側委員は59円増を提案したが、最終的に57円に対し全員が反対投票した。
国は2026年度全国最低賃金引き上げ目安として56円を提示しており、徳島はこの目安を1円上回る57円を採択した。
新最低賃金額と適用時期
新たな最低賃金は時給1,103円で、適用開始は2026年11月1日と見込まれる。
労働者の所得変化
月100時間勤務者の月収は104,600円から110,300円へ5,700円増加し、年額では68,400円の増加となる。
月160時間勤務者の月収は167,360円から176,480円へ9,120円増加し、年額では109,440円の増加となる。
20歳の大学生、續木颯介はバイト時給上昇により趣味・貯金に回せると述べた。
企業側の人件費増加
月100時間勤務のスタッフ10人を雇用する事業者は、月額57,000円、年額684,000円の人件費増加が見込まれる。
影響が大きい業種として、飲食店、小売店、コンビニ、介護、宿泊施設等が挙げられる。
他県との比較
- 大阪:時給1,231円
- 兵庫:時給1,172円
- 香川:時給1,092円(増額56円)
- 山口:時給1,101円(増額58円、初の1100円台)
- 鳥取:時給1,090円(増額60円、目安上回4円)
- 広島:時給1,141円(増額5.2%)
- 東京都:時給1,280円(全国最高)
関係者の立場
労働者側は、パート・アルバイトが生活に余裕が生まれると発言しつつ、さらなる賃上げを求める声もある。UAゼンセン辰巳明宏次長は、国目安に対し3円の上乗せを要求し、1,103円でも生活が困難であるとして全員が反対投票した。
使用者側は、県経営者協会の脇田亮が「3年間の上がり幅が大きく、小規模事業者は非常に厳しい」と指摘し、人件費捻出が困難であることを表明した。企業は価格転嫁や生産性向上、利益縮小、セルフレジ導入、営業時間短縮等の対策を検討している。
公益代表委員は5.45%増(57円)案を提示し、採決で多数賛成した。
国・中央審議会は56円増を目安として提示し、徳島は1円上乗せの57円を採択した。
課題と対策
課題として、企業側の人件費確保が困難であること、労働者側の生活余裕が限定的でさらなる賃上げ要求が続くこと、適用開始日が11月1日であることへの不満が指摘されている。発効遅れは助成金申請期間確保と労働者不利益配慮のため設定された。
対策として、企業は価格転嫁や生産性向上等で人件費増を吸収する方策を検討している。労働組合や労働者は更なる賃上げ交渉を継続する。政府は助成金制度等で中小企業支援を検討している。
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