政治的背景と選挙
2025年10月4日に自民党総裁選が実施された。
総裁選の背景として、高市早苗首相陣営が対立候補を中傷するAI動画を作成した疑惑が浮上した。
2026年2月8日に衆院選投票日が実施された。
衆院選でも同様にAI中傷動画が選挙期間中に使用されたと報じられた。
AI中傷動画の作成と技術
週刊文春は2024年4月29日に高市陣営がAI動画を作成したと報じ、共同通信も同様の内容を伝えた。
報道によれば、生成AIと自動編集技術を用いて1日約100〜200本規模で動画が制作された。
松井健は総裁選で約1,500本、衆院選で約10,000本の動画を生成AIで作成したと証言した。
同証言では、約50人の与野党陣営から依頼を受け、約20人が無償で協力したと述べられた。
技術的制約として、AIは未来の映像を素材にできず、選挙前に撮影された素材でなければ過去の選挙期間の動画は生成できない。
使用素材の時系列矛盾
証拠動画に2026年2月25日(フィリピン・エドゥサ革命40周年抗議集会)で撮影された写真が使用された。
同写真は週刊文春が公開した小泉進次郎氏への中傷動画にも含まれ、選挙が終了した後に作成されたことが明らかになった。
共同通信が報じた総裁選用動画に衆院選期間中の写真が混入したが、後に「動画を取り違えた」と説明し訂正した。
デジタルフォレンジック専門家は、画像・動画のメタデータ検証が基本作業であると指摘し、今回の矛盾は検証体制の不備を示す事例と評価した。
報道・検証・訂正
- 週刊文春は2024年4月29日に初報を出し、2025年4月29日と2026年4月下旬に再報した。
- 2026年6月16日に時系列矛盾が指摘された動画の一部公開を一時停止し、本文を修正した。
- 同月15日、共同通信は矛盾があるキャプチャ4枚を削除し、記事を訂正した。
- 編集局長は「内容確認不足」を認めつつ、全体の信用性は維持されていると説明した。
- 2026年6月中旬に第三者が画像・動画素材の時系列検証を実施し、選挙期間中に作成されたとされた素材に選挙終了後に撮影された画像が混入している可能性を指摘した。
関与・否認・法的論点
高市首相はAI動画作成・配布への関与を一貫して否定し、国会答弁で「秘書や動画作成者との面識なし」「パソコン記録に該当なし」などを主張した。
2026年6月10日に衆院法務委員会でオンライン会議の存在を認め、過去の答弁を訂正した。
現時点で関与の否定も立証もされていない。
立憲民主党員の中村よしたかは例のAI制作者とされ、AI生成の高市中傷動画を投稿した可能性が報じられた。
総裁選用AI動画は公職選挙法の適用外であり、主に刑法上の侮辱罪が論点となる。
衆院選用AI動画は公職選挙法上の虚偽事項公表罪、買収罪、利害誘導罪が適用可能性として整理された。
金融法上、AI中傷動画の作成自体は直ちに刑事罰の対象とはならない。
関係人物と発言
- 松井健は約1,500本(総裁選)・約10,000本(衆院選)を生成AIで作成したと証言した。
- 松井健は与野党陣営からの依頼を受け、無償で約20人と協力したと述べた。
- 松井健は報酬や広告収入を得ていないと主張したが、第三者裏付けは未確認である。
- 松井健はサナエトークンの開発責任者であり、金融庁が実態把握調査中である。
- 木下剛志は2025年10月と2026年2月の選挙で松井健に中傷動画作成を依頼したとされる。
- 松井氏顧問弁護士はAI動画の作成時期は不明であると回答した。
- 2026年2月25日にエドゥサ革命40周年抗議集会で写真を撮影した撮影者は、写真が日本の政治的争いに無断で使用されたことに同意していないと述べた。
- 森山前幹事長は「独裁政治の始まり」とコメントした。
世論と影響
NHK調査(2026年6月8日)によると、内閣支持率は60%(前月比‑1ポイント)、不支持率は26%(+3ポイント)であった。
同調査で自民党支持率は35.7%、支持なしは34.7%と示された。
報道機関の訂正がメディア全体の信頼性低下につながる懸念が指摘された。
議論は「動画作成の有無」や「答弁の虚偽」の有無にシフトし、政治的説明責任が問われている。
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