2026/08/25

玉村豊男の人生・絵画と信州ワインの軌跡と遺産と未来


生涯と学歴

玉村豊男は1945年10月8日、東京都杉並区に生まれた。父は日本画家の玉村方久斗である。東京都立西高等学校を卒業後、東京大学文学部仏文学科を1971年に卒業した。

パリ留学と文筆活動

在学中にパリ大学言語学研究所へ2年間留学し、帰国後に留学体験を基にしたエッセイ『パリ・旅の雑学ノート』を1977年に出版した。以後、食文化に関する『料理の四面体』(1980年)など多数のエッセイ・随筆を執筆した。

画家としての活動

1989年に原画廊で初個展を開催し、1994年以降は毎年数回の個展を開催した。画集としては『FLOWERS』『HARVEST』『GARDENS』『PARIS パリの美しい9月』『ヴィラデスト 里山の花暦』などを出版した。

長野への移住と農園経営

1991年に長野県小県郡東部町(現東御市)へ移住し、ハーブと西洋野菜を栽培する農園ヴィラデストを経営した。

ヴィラデスト・ワイナリーの創設

2003年10月にヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリーを開設し、2004年にワイナリーをオープンした。2005年にフランス農事功労章(Order of Agricultural Merit)を受章し、2007年4月15日には神奈川県箱根町に「玉村豊男ライフアートミュージアム」を開館させた。

ワイナリーの基本情報

所在地は長野県東御市和6027、標高850メートルの北アルプスを望む南斜面にある。営業は10時から日没までで、12月下旬から2月末は休業する。

栽培・醸造

  • 主栽培品種はメルローとシャルドネ。
  • メルローはオーク樽で「かもし発酵」後、約1年半樽熟成する。
  • シャルドネはフレンチオーク樽で約7か月発酵する。
  • 栽培ぶどうは糖度と酸度のバランスが良好である。

受賞実績(日本ワインコンクール)

  • 第9回(2011年)「ヴィラデスト ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2010」金賞。
  • 第12回(2014年)「ヴィラデスト ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2013」金賞。
  • 第13回(2015年)「ヴィラデスト ソーヴィニョンブラン 2014」金賞。

サービス・施設

  • 無料ワイナリーツアーは土日祝の13時・15時に先着15名、約20分で実施。
  • ヴィラデスト・カフェは自家栽培野菜を使用した料理とワインを提供し、醸造施設見学スペースを備える。
  • ヴィラデスト・ショップはワイン、ジャム、菓子、絵葉書、グラス等のオリジナル商品を販売。
  • ヴィラデスト・ギャラリーは地下カフェに玉村豊男の絵画を展示。

地域貢献と市場での位置付け

年間来訪者は4万人以上で、千曲川ワインバレーの主要拠点として観光・地域活性化に寄与している。1991年にワイン用ブドウ栽培を開始し、2003年に果実酒製造免許を取得、2004年にワイナリーを開業したことにより、信州ワインのブランド価値が向上した。千曲川ワインアカデミーや各種講座で醸造技術・農業経営の教育・普及を実施し、信州ワインバレー構想推進協議会会長として地域全体のワイン産業振興策を策定・推進した。

晩年と死去

2026年8月9日、長野県東御市自宅にて肝細胞がんにより死去し、享年80歳となった。葬儀は近親者のみで執り行われ、喪主は妻の抄恵子が務めた。ヴィラデスト・ワイナリーと日本ワイン農業研究所は継続運営体制を整備中である。画集・エッセイ・著作は引き続き出版・展示が予定され、文化遺産として保存が期待されている。

今後の展望

ワイナリーは観光・教育機能を強化し、信州ワインバレーの国際的認知拡大を目指す。玉村豊男のエッセイと画集は後進の創作活動の資料として活用される。