歴史的背景と過去の制裁
2018年に米国が核合意から離脱した後、イランへの制裁は段階的に強化された。
2023年6月にはイラン最大の暗号資産取引所Nobitexを含む4取引所が制裁対象に指定された。
これまで石油収入や海運を標的とした制裁が実施されている。
ベッセント財務長官による新制裁の発表
2026年8月24日、米国財務長官ジャネット・ベッセントはイランの全収入源を遮断し孤立させる新たな経済制裁を発表した。
対象はデジタル資産、テクノロジー、金、航空、海運の5分野であり、取引国に対して二次制裁を警告した。
米ドル建て金融システムからイラン支援組織を排除し、「経済的総攻撃」の開始を宣言した。
制裁作戦は「経済的追放作戦(Operation Economic Outcast)」と命名された。
ベッセント長官は「誰も見たことのない措置」を講じ、近く追加の制裁を発表する意向を示した。
米軍によるイラン関連船舶への海上封鎖と組み合わせ、イラン港の物流を完全に停止させると述べた。
OFACの具体的措置と法的根拠
同日、米財務省対外資産管理局(OFAC)は本日を「経済Dデイ」と位置づけ、対象5分野で人物・法人を所在地に関わらず制裁指定した。
約60の個人・団体・船舶が核・ミサイル調達、サイバー工作、石油収入への関与で指定された。
デジタル資産分野で約10億ドル(約1600億円)相当の暗号資産が押収された。
大統領令第13902号に基づき、対象5分野で事業を行う者は二次制裁の対象となり、取引国は具体的な行動と期限を求められる。
対象分野の詳細
デジタル資産・暗号資産分野では、暗号資産取引所、個人、企業が二次制裁対象となり、米国外でも適用可能である。
2023年以降、イラン革命防衛隊(IRGC)が1億ドル超の暗号資産決済に関与したと指摘されている。
テクノロジー分野は兵器開発に利用可能な技術、航空分野は戦闘員輸送に使用される技術が対象となった。
海運分野では違反疑い船舶46隻が公表され、罰金、抑留、貨物押収の可能性が警告された。
国際・地域の反応
- 米国側:トランプ前大統領は各国指導者に電話でイランとの関係断絶を要請し、演説で米軍封鎖を「鋼鉄の壁」と称した。
- イラン側:タスニム通信は制裁がイラン国民への心理的圧力を目的と説明した。
- イラン議長・外務次官は制裁は効果がないと反発し、米国の脅しは誰も信じないとSNSで表明した。
- イラン経済財務相アリ・マダニザデは制裁強化は事前に計画済みで対策は整っていると強調し、中国とロシアが制裁に反対していると指摘した。
- パキスタン軍トップは制裁を「心理戦の典型例」と指摘し、実質的な進展はないと見解を示した。
- ベッセント長官は中国の銀行も例外なく制裁対象と述べた。
イラン国内の経済指標
2024年7月の物価上昇率は年平均66%であり、食料品価格は前年同月比約128%上昇した。
2024年8月23日、米ドル対リアルの実勢レートが1ドル=200万リアルを突破し、史上最安値を更新した。
同日以降、リアルは継続的に下落している。
#イラン制裁 #ベッセント #暗号資産 #経済的総攻撃 #OFAC