2026/08/25

NHKとBYD軽EV『ラッコ』騒動―真相と市場分析


NHKとBYD軽EVに関する報道

インターネット上で「NHKがBYDの軽EVを大々的に宣伝しているかのようだ」という指摘が拡散した。

同番組はこの指摘を「都市伝説だ」と全否定したと報道された。

猪瀬直樹議員はツイートでNHKの報道を批判した。

SNS上ではスズキ軽EVのバッテリーが中国製であることへの批判が出回り、国内サプライチェーン課題が議論された。

BYD「ラッコ」軽電気自動車の仕様

「ラッコ(RACCO)」は中国メーカーが日本向けに開発した軽電気自動車である。

2025年ジャパンモビリティショーでプロトタイプが公開され、2026年7月28日に正式販売が開始された。

日本仕様の寸法は全長3,395 mm、全幅1,475 mm、全高1,800 mm、ホイールベース2,520 mm、重量1,160〜1,230 kgである。

FF駆動の新設計シャシー・ボディを採用し、SDV(OTA更新可能)を搭載している。

  • パワートレイン:最高出力47 kW(64 PS)、最大トルク160 Nm、WLTC消費124 Wh/km。
  • バッテリー容量と航続距離:エントリーモデル200は22.4 kWhで走行距離210 km、300Plus・300Premiumは35.84 kWhで走行距離320 km。
  • 充電方式:CHAdeMO対応。普通充電は最大6 kW(200は3 kW)。急速充電は最大49.7 kW(200は35.8 kW)。
  • 先進機能:V2H/V2L(最大1,500 W供給)、ADAS 800万画素/4Kカメラ+ミリ波レーダー、幼児置き去り検知、全窓ガラス・アンチピンチ。
  • インテリア:10.1インチタッチスクリーン、収納30箇所以上、ステアリングのチルト&テレスコピック。
  • 保証・サービス:車両保証6年または150,000 km、EV部品保証8年または160,000 km、ロードアシスタンス6年365日提供。
  • ブランド名の由来:海洋シリーズの動物名に基づき、同社はシーライオン、ドルフィン等も展開している。

ラッコの販売価格・需要

最上位グレードの販売価格は約250万円で、約15万円の補助金が適用される。

グレード別販売比率は300プレミアムが80%、300プラスが14%、200エントリが6%である。

購買層は新規購入が26.8%、入れ替えが35.7%、増車が37.5%である。増車は月々約2万円弱の残価設定ローンが用意されている。

販売開始約2週間で受注数は1,000台を超えている。

購入者の55.4%が自宅で充電可能、43%が不可、1.6%が無回答である。

日本の軽EV市場概況

2026年7月までの国内EV販売台数は61,090台で、過去最高記録となっている。

軽自動車は全体販売台数の約30%を占め、軽自動車シェアは約40%である。

スーパーハイトワゴンは軽自動車カテゴリで売れ筋である。

日本全体のEVシェアは約2%である。

全国の充電口数は約68,800箇所である。

ラッコは日本国内で唯一の軽EVとして位置付けられている。

競合他社の軽EV動向

  • 日産 サクラ:2022年7月にデビューし、3週間で受注台数11,000台に達した。
  • スズキ eSKY:2026年8月24日に公開。航続距離310 km、価格未定、2026年秋に発売予定。バックキャスト型設計で航続距離を設定し、残価設定ローンで販売促進を図っている。バッテリーは中国製と指摘され、SNSで批判が出回っている。
  • スズキ VISION e‑Sky コンセプトカー:2025年ジャパンモビリティショーで展示。航続約270 km、2026年発売予定。
  • ホンダ N‑ONE e:2025年9月12日に発表。WLTC航続295 km。関東販売店スタッフは「顧客の反応は鈍い」とコメントしている。

政策・インフラ・課題

総務省の統計によると、2023年全国で発生した車両火災は3,521件である。

バッテリーの中国製への懸念が国内サプライチェーンの脆弱性として指摘されている。

約43%の購入者が自宅充電環境を保有しておらず、充電インフラの拡充が課題として認識されている。

将来展望

BYDは「ラッコ楽」スローガンで日本市場への本格参入を掲げている。

BYD社長劉学亮は2023年EV販売で世界一と主張している。

年間1万台の日本専用車導入の意義が検討中である。

スズキはeSKYで静音性を保ちつつ必要な走行音を残す設計を採用し、「Easy to Switch」コンセプトでガソリン車からEVへの乗り換えを目指す。