2026/09/02

横田氏無許可撮影が誓約違反、法的リスクとフォーラム対応


事件の概要

一般社団法人日本沖縄政策研究フォーラムは、2026年8月29日に開催したイベントで、指定報道機関以外の取材・撮影・録音を禁じた。

この禁止は、参加者と登壇者の安全確保および会場管理を目的としている。

同法人は2026年8月31日に公式声明を出し、報道の自由を尊重しつつ正規取材のみ受け入れる姿勢を示した。

横田一氏の無許可撮影と誓約書提出

フリージャーナリスト横田一氏は、1957年山口県生まれ、東京工業大学卒業、ノンフィクション朝日ジャーナル大賞受賞歴がある。

同氏は当日開催された杉田水脈氏の講演を無許可で撮影した。

撮影後、警察の立ち会いのもとフォーラム宛に「撮影した動画や写真は外部に出さない」旨の自署誓約書を提出した。

誓約違反の映像公開

横田氏は自身のYouTube番組で、前項の講演映像を無断で公開し、誓約書に違反する動画として配信した。

フォーラムの対応と法的措置の検討

フォーラムは、公開された映像の即時削除と再公開停止を要求した。

プラットフォーム運営者へプライバシー侵害申し立ても支援すると表明した。

誓約違反が継続した場合、弁護士と協議の上で民事上の損害賠償請求や差止請求等の法的措置を検討する方針を示した。

誓約書の法的性質と効力

誓約書は、当事者が自らの意思で約束内容を書面にし、相手が受領することで合意が成立する文書である。

法的効力は、義務の根拠となる力と証拠としての力を有する。

署名のみでも効力は否定されず、相手方の受領が重要とされる。

民法522条2項は、契約成立に書面は原則不要と規定する。

民事訴訟法228条4項は、署名・押印のある私文書は真正に成立したものと推定すると規定している。

最高裁昭和39年5月12日判決は、押印がある場合の推定がさらに強固になると示した。

無効・取消し要件(民法)

  • 公序良俗に反する場合は民法90条に基づき無効。
  • 強行法規に違反する場合は無効。
  • 強迫(民法96条)や詐欺(民法96条)による場合は取消し可能。
  • 錯誤(民法95条)による場合は取消し可能。
  • 未成年者の署名は民法5条により無効。
  • 強迫の場合は脅威から解放された時から5年、その他は署名から20年以内に取消しを行う必要がある(民法126条)。

執行力の限界と強化策

誓約書単体は債務名義にならない。

差押えには確定判決または公正証書が必要である。

公正証書に強制執行認諾文言を付すと、裁判なしで差押えが可能になる。

電子署名法3条は、要件を満たす電子署名を紙の署名・押印と同等に推定すると規定している。

横田氏の過去の対立(背景)

小野田大臣記者会見で挑発的質問を行い、出入り禁止措置を受けた。

国民民主党記者会見で質問違反とされ、同党から出入り禁止処分を受けた。

高市早苗記者会見で過激質問を行い、2021年9月に注目された。

2024年・2025年に複数政党・政治家への批判的取材と著書出版を行った。

YouTubeチャンネル「デモクラシータイムス」や、2024年8月2日から週1回配信された「横田×西谷 とざいトーザイ」に出演した。

SPA!、日刊ゲンダイ、紙の爆弾、FLASH 等の政治色媒体へ寄稿した実績がある。

今後の法的リスクと対策

誓約書違反が認められた場合、損害賠償請求や差止請求が検討される旨が示されている。

証拠確保の重要性として、署名・押印・日時・受領の記録が示されている。

公正証書化や電子署名の活用により執行力を高める方法が提示されている。

イベント運営側の対策

取材・撮影禁止規定を事前に文書化し、参加者に明示的に同意させる方針が示されている。

署名・受領のプロトコルを整備し、警察立ち会い等で裏付けを取得する手順が記載されている。

違反時の迅速な削除要請とプラットフォームへの通報体制を構築することが述べられている。

ジャーナリスト側の留意点

誓約書内容と法的有効性を事前にリーガルチェックすることが重要と示されている。

公的場での撮影許可取得と誓約書遵守の徹底が求められている。

法的争点が生じた際は、早期に弁護士へ相談し、証拠保全を図ることが示されている。