背景と課題
共働き世帯の増加に伴い、子どもが食事を自ら用意する機会が拡大している。料理スキルが生活スキルとして重要視され、レシピ本や食育コンテストへの関心が高まっている。
小学生向けレシピ本の概要
小学生が安全に料理に挑戦できるよう、食材・調理器具・工程をシンプルに構成した書籍が出版されている。火や包丁を使わないレシピも含まれ、低学年でも取り組める設計となっている。
『ひとりで作れるカンタン!まんぷくレシピ』シリーズ
出版元は株式会社保育社(創業80周年、学校・公共図書館向け児童書が主事業)である。全3巻は「ごはん」「めん」「パン・デザート」の構成で、小学校中学以上を対象にしている。料理を生活スキルとして位置付け、使用食材・調理器具・工程を簡素化した点が特徴である。監修・考案は料理研究家の今井亮が担当した。
『ぜ~んぶひとりでできちゃう! 小学生のお料理ブック』
発行元は家の光協会。2022年7月に発売され、定価1,650円、ISBN 9784259567323である。アンケートで選定した人気メニューを掲載し、揚げ物は除外して安全配慮がなされている。写真・キャラクター・漢字ルビ付けにより視覚的に分かりやすく、手順は最大6つに抑えられている。推奨料理はミートソース、肉じゃが、オムライスで、読者からは「材料が最低限」「写真が多くてわかりやすい」「手順が簡単」と評価されている。著者は管理栄養士・料理家・フードコーディネーターの新谷友里江である。
食育コンテストの概要
夏休みチャレンジ まんぷくレシピコンテスト(株式会社保育社主催)
募集期間は2026年7月1日から9月15日まで。シリーズから好きな1品を作り、料理の写真とコメントを応募する形式。部門は「チャレンジ部門」(本の通りに作る)と「アレンジ部門」(レシピをアレンジ)に分かれる。審査委員長はシリーズ監修者の今井亮が務め、結果は2026年10月中旬に同社ホームページで掲載される。賞品は最優秀賞にオリジナルランチョンマット・お箸と審査委員長からのプレゼント、優秀賞にオリジナルランチョンマット・お箸、まんぷく賞に抽選でオリジナルランチョンマットかお箸が授与される。
第3回小学生食育コンテスト(清田区主催)
開催期間は2026年6月11日から7月17日で、最終選考は7月17日に清田区民センターで実施された。主催は食育教室大きなかぶ、会場は清田区役所食堂である。応募資格は北海道在住の小学1〜6年生で構成する2〜4名のグループ、個人応募は不可。応募期間は2025年7月10日から8月15日で、用紙とオリジナル(アレンジ)レシピを郵送またはメール(otonashokuiku0217@gmail.com)で提出した。
第1次審査は食育教室大きなかぶ代表の阿部由利恵が実施した。第2次審査は以下の4名が担当した。
- 清田区長・浅山信乃
- 株式会社梅屋取締役専務・平井肖吾
- 管理栄養士・金髙有里
- 札幌市議会議員・山田洋聡
評価項目は味、レシピ再現度、パネル資料の分かりやすさ、PRプレゼンテーション、商品化可能性である。第1次審査通過後、最大6組が最終審査に出場し、受賞レシピは清田区役所食堂で1日限定特別メニューとして販売された。
第21回食育コンテスト(NPO法人 幼年教育・子育て支援推進機構)
募集期間は2026年9月1日から11月18日までで、入選発表は2027年1月19日になる。参加資格は保育所・幼稚園・認定こども園・子育て支援センター等の施設で、応募書類はA4 1枚の応募用紙(PDF)と5〜7枚の活動報告書(PDF)で構成される。審査委員は太田百合子(東洋大学非常勤講師・管理栄養士)、鈴木八朗(くらき永田保育園園長)、米倉れい子(Shoku-Story・管理栄養士)、上原敬二(『いただきます ごちそうさま』編集長)の4名で、後援は文部科学省、農林水産省、こども家庭庁、東京都等が務めた。賞は内閣府特命担当大臣賞、文部科学大臣賞、複数の優秀賞があり、入選事例集の提供や媒体・全国食育イベントでの紹介が特典として付与された。
第13回伊勢原市料理レシピ本大賞
一次選考では総エントリー101作品があり、46作品が通過した(料理部門30、菓子部門5、こどもの本賞5、コミック賞6)。最終選考投票は7月1日から7月20日で、受賞作品は9月9日に発表された。評価基準は「わかりやすく作りやすい」「日本の食文化や食育に貢献」「おいしい」「おすすめできる」である。
小学生部の受賞例は以下の通りである。
- 市長賞(最優秀賞):成瀬小学校5年生「いろどり野菜のパングラタン」
- JA湘南組合長賞(優秀賞):高部屋小学校6年生「暑い夏でもサッパリ食べられるごはん」
- 野菜がたくさんとれるで賞:高部屋小学校5年生「1日分の野菜、半分とれちゃうミネストローネ」
- 一品で栄養バランスがよいで賞:桜台小学校6年生「和風夏野菜ピザトースト」
中学生部・高校生部でも同様に各部門で市長賞・JA湘南組合長賞等が授与された。
食育・キッズ食育の意義
食育は正しい食の選択力、食事作法、環境意識を身につけさせる教育である。キッズ食育の学習効果として、国語(レシピ読む)、理科(食材・調理の観察)、算数(分量計測・人数分計算)、社会(食文化・地域食材)、総合学習(感謝・表現・協調)が挙げられる。コンテスト審査では子どもの笑顔・やる気・声掛け・個性への対応・食・体に関する説明力が重視される。
その他の関連活動
日本キッズ食育協会が主催するキッズ食育コンテストは、親子の料理・食事シーンを動画で応募する形式である。2021年度で第4回が開催され、2020年からはオンライン応募に移行した。参加費は1,650円(税込)で、参加賞が設定されている。スポンサーにはロート製薬、株式会社明治乳業、サンクロレラ販売、有限会社ソォーイ、みたけ食品工業、私市醸造、三笠産業などが名を連ねる。評価ポイントは笑顔・やる気・子どもへの声掛け・個性対応・食・体の説明ができているかであり、料理の完成度や技術だけでなく、食を通じた子どもの成長促進が審査方針として重視される。
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