2026/08/21

防衛省2027予算で水中極超音速ミサイル開発へ挑む


防衛省の2027年度予算概算要求

2026年8月18日に防衛省は2027年度予算概算要求の全容を公表した。

要求は金額を示さない「事項要求」として提示され、150件以上の事業が含まれる。

現行防衛力整備計画に基づく見込みでは、要求額は約8兆9千億円とされる。

年末に編成される予算案では、総額が約10兆円規模に拡大する可能性がある。

令和7年度(2025年度)と令和8年度(2026年度)の関連予算実績として、極超音速誘導弾の開発に732億円、取得に301億円、製造態勢拡充に1,626億円が計上された。

水中発射型極超音速ミサイルの開発

防衛省は反撃能力(敵基地攻撃能力)として水中発射型極超音速ミサイルの開発に着手した。

同ミサイルは敵からの攻撃を免れやすい特性を有するとされる。

実用化に向けた技術的ハードルとして、発射装置、誘導、耐圧が挙げられる。

無人潜水艇への搭載計画

水中発射型極超音速ミサイルを無人潜水艇に搭載する研究が実施されている。

研究は無人潜水艇に長射程ミサイル発射機能を付与することを目的とする。

令和8年度から令和11年度にかけて、VLS搭載潜水艦の設計検討が進められる予定である。

ミサイル統合と運用概念の確立が技術的課題として残る。

攻撃用無人機の民生品活用

民生品を活用した攻撃用無人機の開発が明記されている。

この無人機は安価で短期間に大量生産可能である。

長距離飛行が可能である点が特徴とされる。

市場・競合情報

現時点で具体的な民間・他国の同種システムに関する情報は提示されていない。

概算要求の戦略的意義

概算要求は「新しい戦い方」に対応する「新しい守り方」「持続的な対応能力」「防衛力の基盤」の3項目を重視している。

課題と展望

以下に主要な課題と今後の展望を示す。

  • 「事項要求」は金額非公開であり、開発期間・試作・量産・運用開始時期は未定である。
  • 予算規模が約10兆円に拡大する可能性があり、財政的持続性が課題となる。
  • 水中発射型極超音速ミサイルの実用化に向けた発射装置、誘導、耐圧等の技術的ハードルが残る。
  • 無人潜水艇へのミサイル統合と運用概念の確立が必要である。