2026/08/21

松田公太氏とタリーズコーヒー日本の軌跡―波乱と成長の全史


松田公太氏の経歴

松田公太氏は1968年12月3日、宮城県塩竈市に生まれた。

幼少期をアフリカとアメリカで過ごし、1990年に筑波大学国際関係学類を卒業した。

卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行し、1995年にボストンでスペシャルティコーヒーに出会った。

1996年に銀行を退職し、タリーズ日本の営業権交渉を開始した。

1997年8月7日、銀座に約24坪・38席のタリーズ日本初店舗を開店した。

1998年5月にタリーズコーヒージャパン株式会社を設立し、代表取締役社長に就任した。

2001年にナスダック・ジャパン(現・ジャスダック)に上場し、2004年にMBOで非上場化した。

2006年に伊藤園へ過半数株式を売却し、2007年に社長を退任した。

2010年7月、みんなの党公認で参議院議員に当選し、2016年に政界を引退した。

2020年4月にEGGS ’N THINGS JAPAN株式会社の代表取締役社長に就任し、コロナ禍で飲食事業の立て直しを行った。

2022年6月に公益財団法人日本国際連合協会理事に就任し、同年10月1日に「しおがま未来大使」に任命された。

著書に『すべては一杯のコーヒーから』(ISBN 978-4101180311)などがある。

タリーズコーヒージャパンの事業史

タリーズコーヒージャパン株式会社は1998年5月12日に設立された。

本社は東京都新宿区箪笥町22番地に所在し、資本金は1億円である。

  • 1997年1月、銀座に日本初店舗をオープン。
  • 2001年7月、ナスダック・ジャパンに上場し、飲食業界最速上場記録を樹立。
  • 2002年、持株会社体制(フードエックス・グローブ株式会社)へ移行。
  • 2004年、MBOにより非上場化。
  • 2005年8月、日本国内の「Tully's」商標権を完全取得。
  • 2006年11月、伊藤園グループに加入し、伊藤園が100%株式を保有して完全子会社化。
  • 2007年、バリスタコンテスト開始、コーヒースクール導入、コーヒーマスター制度導入。
  • 2008年、運営会社再編により現在の商号へ統合。
  • 2026年8月5日時点で全国に850店舗が存在し、うち約100店舗は病院内に位置し、全体の約10%を占める。

財務・業績

  • 2024年4月期 売上高 402億円
  • 2026年4月期 純利益 23億9,200万円
  • 2026年4月期 総資産 230億1,300万円

所有構造と提携

  • 伊藤園株式会社は2006年11月にタリーズコーヒージャパン株式会社の過半数株式を取得し、完全子会社化した。
  • 伊藤園は2018年4月にTULLY’S COFFEEブランド飲料の累計販売数量が1億ケースを突破した。
  • SBIキャピタル系列は2006年8月29日にタリーズ株式の17.1%を取得し、第三者割当増資を実施した。
  • 同系列は2007年6月8日に追加取得し、保有率を80.5%に上昇させた。

米国側破綻と日本事業への影響

  • 1992年にシアトルで創業し、当初は4店舗のローカルチェーンであった。
  • 2009年3月にGreen Mountain Coffee Roastersからブランド・卸売事業を4,030万ドルで取得した。
  • 2012年10月にTC GlobalがChapter 11破産申請し、19店舗を閉鎖した。
  • 2013年7月に主要資産をGlobal Baristasへ売却した。
  • 2018年3月に在庫不足と再ブランド化に伴い多数店舗が休業・閉鎖した。
  • 日本事業は独自に商標権と営業権を保有しているため、米国側の破綻や店舗閉鎖の直接的影響は受けていない。

国内競合環境

  • スターバックスは約1,000店舗を展開。
  • シアトルズ・ベストコーヒーは約250店舗を展開。

松田氏の住宅問題と発言

松田氏は首都圏の高級タワーマンションに居住している。

同マンションの中国人入居者のマナーに「苦しめられている」と主張し、「差別ではなく、ルール遵守を求めている」旨を公表した。

課題と展望

高級タワーマンションにおける多国籍居住者のルール遵守意識の差が顕在化している。

病院内店舗は全体の約10%を占め、医療施設利用者への接点が増えている。

コーヒースクール、バリスタコンテスト、コーヒーマスター制度はブランド価値向上の施策として継続されている。

伊藤園とのシナジーにより、飲料事業とカフェ事業が連携している。