群馬県の狩猟免許制度と新施策
2024年度から自治体職員向けに公務員ハンター(ガバメントハンター)受験枠が新設された。
この枠は一般枠とは別に設定され、1日あたり15名が受験し、13名が合格した。
2025年12月に実施された第3回試験では、定員40名に対し約4倍の応募があり、関心が高まった。
第1種銃猟免許試験は年3回から年4回に増え、各回の一般受験枠は40名から60名に拡大された。
合格率は約70%と公表されている。
2026年3月15日に追加試験が決定し、定員は40名で抽選方式が採用された。
全国初の「知事ハンター」制度が導入され、知事自身が免許取得を目指すことで取得機運の向上が狙われている。
狩猟免許は第1種銃猟、空気銃のみ使用できる第2種銃猟、わな猟、網猟の4種類に分類され、第1種銃猟免許は装薬銃の使用が可能である。
取得手続きは講習、筆記試験、身体検査、実技試験、公安委員会審査の順に行われる。
これらは各都道府県で年に複数回実施される。
山本一太知事の免許取得と公約
山本一太知事は2024年に第1種銃猟免許試験を受験し、2026年8月6日の記者会見で合格を公表した。
取得目的は「県民を守る」ことであり、クマ被害対策として自らハンターになると宣言した。
事前勉強会では模造銃を使用し、銃の分解・組立実技を学んだ。
実技に苦戦したが、前日にシミュレーションを繰り返したと述べた。
合格後は銃の所持許可取得手続きに進み、初心者講習会と射撃教習を受講する予定である。
ブログでは合格を「最初の関門突破」と報告し、全員で合格したいと公約した。
記者会見で「失敗したら知事の面目丸つぶれだ」とプレッシャーを示す発言があった。
2026年度中に猟銃免許取得を目標に掲げ、わな猟・網猟免許取得にも挑戦する意向を表明した。
クマ撃退チーム「クマゲキ」
知事ハンター制度の導入を受け、山本知事は県職員有志で構成されるクマ撃退チーム「クマゲキ」を2025年12月に発足させた。
発足時は26名が参加し、うち20歳から50代までの25名(男性21名、女性4名)が実務メンバーとして構成された。
2026年8月1日に実施される第1種銃猟免許試験に向け、ガバメントハンター受験枠で11名が受験予定である。
2026年7月29日の事前勉強会にはチームメンバー16名と自治体職員4名、計20名が参加し、模造銃での分解・組立実技と4人1組での団体行動確認を実施した。
2026年2月14日に実施されたわな猟試験では全員が合格した。
同日に実施された網猟試験は例年の約3倍に当たる104名が応募した。
メンバーは日常業務と並行して免許取得を目指し、取得後は実技研修で技能向上を計画している。
公務員ハンター育成チーム
県庁は公務員ハンター育成チームを発足し、職員から希望者を募って第1種銃猟免許とわな猟免許の取得を推進している。
猟銃免許や狩猟経験を有する専門職員を配置し、市町村への指導・助言を強化している。
クマ被害の現状と背景
- 2025年度に人身被害が過去最多の8件発生した。
- 森林環境の変化と餌植物の減少が指摘され、クマが人里へ接近した。
- ニホンジカとイノシシの生息数が大幅に増加し、農林業被害や豚熱感染が拡大した。
- 県は「クマが人里に降りてこない環境づくり」を掲げ、注意喚起・教育キャンペーン、野生動物調査、柵・電気牧柵設置、猟友会・専門家連携を重視している。
- 群馬県自然環境課野生動物係は「ぐんまハンタービジョン」を策定し、持続可能な捕獲体制と人材育成を目指している。
公的・社会的反応
- SNS上では知事の取り組みに対し肯定的意見と、動物保護や根本対策を求める慎重な意見が報じられた。
- 上毛新聞は山本知事がチームメンバーに「失敗したら面目が丸つぶれだ」とプレッシャーをかけたと報じた。
- ハンター業界は人材不足と高齢化が深刻化しており、公務員や若年層の育成が有害鳥獣対策の持続可能性に重要と指摘されている。
- 狩猟免許所持者は長期的に減少傾向にあり、自治体主導の免許取得支援が求められている。
今後の課題と展望
- 試験枠の拡大と応募増加により、クマ撃退に従事できる人材が増えることが期待されている。
- 持続可能な捕獲体制の構築と地域捕獲担い手の育成が長期的な野生動物管理の重要課題と位置付けられている。