背景・要因
2025年の小中高生自殺者数は538人で、過去最多となった。この増加を受けて、概算要求に自殺対策費が重点的に配分された。
高市早苗政権の基本方針
「補正予算依存からの脱却」を基本方針として、従来補正予算で計上していた費用を当初予算へ一括計上する方針が示された。また、既存補助金の見直しにより約130億円の削減が計画された。
予算規模と財政
この方針に基づき、2027年度当初予算案の概算要求は約7.8兆円となり、設立以来最大額である。前年度(令和6年度)比で約3,200億円増額された。
令和8年度概算要求の内訳は合計74,229億円である。
- 一般会計:43,082億円(前年度比+715億円)
- 子ども・子育て支援特別会計:31,147億円(前年度比+244億円)
- 子ども・子育て支援勘定:20,416億円(+200億円)
- 育児休業等給付勘定:10,731億円(+44億円)
施策と具体的対策
こども家庭庁は新たな交付金を創設し、地域の学校・医療機関・警察で構成する協議会が利用できるようにした。
都道府県および政令指定市に自殺危機対応チームを配置し、事案対応費用を交付金で賄う。
これらの施策は、以下の予算項目に反映されている。
- こどもまんなか社会の基盤構築:14億円
- 若年世代が安心して将来設計できる社会構築:4兆1,338億円(+事項要求)
- 保育の質向上等:1兆9,221億円(+事項要求)
- 地域ぐるみの包括的子ども・若者支援システム構築:1兆13億円(+事項要求)
- 持続的なこども施策提供体制構築:511億円(+事項要求)
これらの施策は、次節で示す長期目標の実現を目指す。
長期目標と指標
- 0〜2歳幼児教育・保育支援、物価高対策等を予算編成過程で検討
- 国民年金第1号被保険者(自営業・農家等)への子どもが1歳になるまで保険料免除措置を創設
- プレコンセプションケアとして卵子凍結モデル事業を新規創設
- 若者10万人対象の総合調査を新規実施
- こども誰でも通園制度を全自治体で100%実施することを目標
- 男性育休取得率を2030年に85%以上に向上
- 里親委託率を乳幼児段階で75%以上、学童期以降で50%以上(遅くとも2029年度まで)に設定
- 特別養子縁組成立件数を年間1,000件以上に設定
- 児童相談所職員等の処遇改善として月最大5万円の給与増額を要求
- EBPM(エビデンスに基づく政策形成)を推進し、客観的・定量的データ活用を方針化
行政手続きと公開資料
こども家庭庁は令和5〜令和8年度の予算・概算要求関連資料をPDFで公開している。
- 令和7年12月24日 片山財務大臣との大臣折衝結果(PDF 1.3 MB)
- 令和6年12月25日 加藤財務大臣との大臣折衝結果(PDF 1.3 MB)
- 令和8年度概算要求・要望額等(PDF 66 KB)
- 令和7年8月29日 概算要求資料(PDF 1.4 MB)
- 令和7年9月8日・9月18日 概算要求概要・ポイント資料差し替え
- 令和8年1月26日 概算要求ポイント(PDF 1.9 MB)更新
予算成立・閣議決定スケジュール
- 令和8年度予算(2024年4月7日)成立
- 令和8年度暫定予算(2024年3月30日)成立
- 令和8年度補正予算(2024年6月5日)成立
- 令和7年12月26日 令和8年度予算案が閣議決定
- 令和7年8月8日 概算要求基準が閣議了解
- 令和7年9月3日 各省庁の概算要求が公表
- 財務省は予算書各府省庁別明細(PDF 105 KB)を公開
- 暫定予算書各府省庁別明細(PDF 99 KB)も公開
- 一般会計予備費使用手続等はPDF 43 KB/63 KBで提供
- 予算執行手続等はPDF 123 KB/137 KBで提供
- 補正予算手続等はPDF 72 KBで提供
市場・競合・外部環境
少子化対策は社会全体の機運醸成が不可欠であり、民間企業の参画と子どもの意見反映が求められると指摘されている。子ども・若者課題の多様化・複合化に対応するため、分野横断的な支援体制が必要である。また、子どもの人口減少と施設老朽化への対応として、人口動態を踏まえた計画的再編が必要とされている。
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