2026/08/21

山梨・青木ヶ原でドローンが救う自殺防止最前線


山梨県の自殺統計とリスク要因

2025年の山梨県における自殺者数は171人で、人口10万人当たりの死亡率は21.6と全国ワーストである。

2023年の統計では発見地ベースで全国1位、2024年は2位に上昇した。

県内で発見された自殺者の約30%は県外者または身元不明である。

長期休暇明けに自殺リスクが高まる傾向があり、毎年9月10日から16日の「自殺予防週間」に先駆けた啓発活動が実施されている。

青木ヶ原樹海の概要

青木ヶ原樹海は富士箱根伊豆国立公園に属し、富士河口湖町と鳴沢村に跨る原生林である。

面積は同規模の世田谷区の77倍に相当する。

全国的に「自殺の名所」と呼ばれ、注目を集めている。

ドローンの技術仕様

赤外線(熱感知)カメラを搭載し、熱を持つ人間を映像上で赤く表示する。

スピーカーが装備され、検知対象に対して「速やかに遊歩道にお戻りください」等の音声警告を送信する。

2機体が連携運用され、1機が熱感知で人影を探知し、2機が上空から声掛けを行う。

映像にシカが映り込むことがあり、判別には経験が必要である。

委託事業者と運用体制

鳴沢村上空でドローンを離陸させ、決められたルートを自動飛行させる。

契約パトロール員2名が現地に向かい、声掛けと保護活動を実施する。

1回の飛行には5〜6人の作業員が必要で、機材搬入・滞在費等のコストが高い。

山梨県のドローン活用実績

2024年度から夜間ドローン見回りと音声警告が本格開始された。

熱感知で人を検知し、音声警告と警備員への連絡により自殺企図者を保護する。

2025年度にドローンパトロールで保護につながった事例が複数報告されている。

自殺企図者が確認された場合は警察へ連絡する体制が整備されている。

デモンストレーション実施概要

2026年8月19日・20日に鳴沢氷穴駐車場で報道機関向けに実演が行われた。

実演内容は事業概要説明、使用機体説明、巡回飛行実演である。

雨天時は延期された。

取材申し込み期限は8月18日15:00である。

延期が発生した場合は、同日17:00までに連絡が必要である。

説明会終了後の取材対応は健康増進課長・齊藤が担当した。

地元自治体・協力団体の取組み

富士河口湖町と鳴沢村が委託した警備会社は、日中に3名のパトロール員を365日体制で配置している。

樹海ウォークは年1回開催され、約400人が参加する。

健康科学大学の学生がケアブースを設置し、参加者への支援を実施している。

課題と今後の展望

ドローン飛行には作業員と滞在費が必要で、運用コストが高い。

2025年度に向けて定点設置場所を確保し、コスト削減と飛行回数増加を計画している。

保護後のフォローが不十分であり、再度樹海を訪れるケースが指摘されている。

定点設置とコスト削減により、保護対象エリアの拡大と飛行回数増加を目指す。

ドローンは上空監視と音声警告を行い、自殺手段へのアクセス性低下を継続的に狙う。

問い合わせ窓口

  • 山梨県福祉保健部健康増進課 心の健康担当 中村(電話:055-223-1495)

提供資料

  • PDF(269KB)「ドローンを活用した青木ヶ原樹海周辺の自殺防止対策について 8月19日に飛行デモンストレーションを実施」