2026/08/21

2026年7月訪日客数最多、韓国・台湾増で中国減少


総訪日客数と業績

日本政府観光局(JNTO)は、2023年7月の総訪日客数が344万人で過去最多であると発表した。

同月の前年同月比は0.1%増(3,442,100人)である。

2026年7月の訪日外国人数は同じく3,442,100人で、前年同月比0.1%増となり、4か月ぶりにプラス転換した。

2026年上半期(1~6月)の累計訪日客数は24,527,200人で、前年同期比1.7%減少した。

2024年上半期(1~6月)の訪日外国人総数は2,108万4,800人で、前年同期比2.0%減少した。

国別訪日客数

中国人観光客は、2023年7月と2026年7月の両方で428,200人であり、前年同月比56.1%減少した。2025年12月は約331,000人で、前年同月比約46%減少した。2024年1~3月は前年同期比50.2%減、4~6月は52.5%減少した。

韓国人観光客は、2026年7月に894,700人で前年同月比31.9%増加し、国別トップとなった。2024年6月は過去最高を記録した。

台湾人観光客は、2026年7月に763,800人で前年同月比26.4%増加し、単月初めて70万人を超えた。2024年6月も過去最高を記録した。

米国人観光客は、2026年7月に286,200人で前年同月比3.3%増加し、7月の過去最多となった。2024年6月も過去最高を記録した。

インドネシア人、英国人、フランス人観光客は、2026年7月にそれぞれ過去最多を記録した。

背景と要因

  • 中国政府は2025年末から日本への渡航自粛要請を実施した。要請は高市早苗首相の「台湾有事」発言がきっかけである。
  • 自粛要請に伴い、航空便が約40%削減され、座席数が物理的に減少した。
  • 中国旅行会社は日本向け団体ツアー販売を制限した。
  • 円安基調が訪日客にとって追い風となり、他国からの誘客を後押しした。
  • 中東情勢により燃油サーチャージが高止まりし、欧州等遠方からの誘客の足かせとなった。
  • 2026年7月に発生した熊本地震により宿泊施設の予約キャンセルが発生したが、観光庁長官は影響は限定的と認識した。

これらの要因は、2024年上半期の旅行消費額や宿泊需要に直接的な影響を与えている。

経済的影響・消費額

  • 2024年上半期の全体旅行消費額は、1月~3月で2兆3,373億円(前年同期比+2.5%)であり、4月~6月は2兆5,096億円(前年同期比+0.2%)である。
  • 同期間における中国人観光客の旅行消費額は5,000億円以上減少した。
  • 中国人観光客の減少により、ホテル業界ではピーク時の宿泊需要が緩和し、料金が下落傾向となった。
  • 地域住民は、中国人旅行者による公共施設のトラブルやゴミ問題が減少し、観光マナーが改善されたと感じている。

観光施策・対応

  • 京都市は「観光快適度マップ」やライブカメラでリアルタイム混雑情報を配信し、祇園の私道立ち入り禁止と1万円罰金の施策を実施した。
  • 富士山(山梨側)は2024年から登山路通行料2,000円を導入し、登山道にゲートを設置、時間帯規制で夜間・弾丸登山を抑制した。
  • USJ「スーパー・ニンテンドー・ワールド」および東京ディズニーリゾートは中国人観光客に人気がある。
  • SHIBUYA SKYの予約は殺到し、チケット入手が困難となった。
  • ワーナー・ブラザース・スタジオツアー東京も多くの中国人観光客が訪問した。
  • 観光庁と自治体は人流データや位置情報を活用し、混雑マップや観光分散の実証実験を実施した。

課題・展望

  • 2024年以降、中国人観光客のシェアは約2割から減少し、他国・地域からの訪日客が増加している。
  • 旅行目的は「買い物中心」から「滞在・体験重視」へ変化している。
  • 今後のリスクとして、中東情勢や円安の変動、航空便減便の継続が遠方からの誘客に影響し、高市早苗首相の「台湾有事」発言に端を発した中国側の渡航自粛リスクがある。
  • 成長機会として、韓国、台湾、米国、インドネシア等の訪日客増加が中国減少分を埋める可能性がある。円安基調は価格競争力を高め、欧米・オセアニアからの需要拡大が期待できる。