卵全体の構造
卵は卵殻、卵殻膜、卵白、卵黄の四つの要素からなる。
卵殻は約94 %が炭酸カルシウムで構成され、多数の微小孔が空気流通と水分調節を行う。
卵殻膜は卵殻の内側に位置する薄い膜である。
卵の丸い端にある気室は内部の水分蒸発に伴い時間とともに大きくなる。
新鮮卵の表面はクチクラという薄膜で微生物侵入を防止するが、市販卵は洗卵によりクチクラが除去され、表面はザラザラしない。
白身の定義と呼称
白身は「しろみ」と読み、漢字表記は「白身」または「シロミ」である。
主に卵の白い部分(卵白)を指すが、魚肉の白い部分(赤身に対する白身)や木材の白い部分(白太)を指すこともある。
別表記として「白味」も用いられる。
歴史的文献例は、1269年の『仙覚抄』に「しろみのおほくみゆれば」、1643年の『料理物語』に「玉子のしろみをくはへする」、1969年の『朝の悲しみ』に「白身が好きで、赤身が嫌い」と記載されている。
デジタル大辞泉・日本国語大辞典・字通・日外アソシエーツは、白身を「卵の白い部分(卵白)」「魚肉の白い部分」「材木の白い部分」と定義している。
卵白(albumen)の構成と性質
卵白は英語で albumen または egg white と表記され、別名は「卵の白身(しろみ)」である。
構成要素は外水様卵白(濃厚卵白)、内水様卵白(外水様卵白)、カラザの三つである。
約90‑98 %が水分で、残りはタンパク質が中心となり、主成分はアルブミンである。
産卵直後の pH は7.6〜7.9で、時間経過に伴い炭酸ガスが抜けて上昇する。
主要な機能性成分は次のとおりである。
- リゾチーム 0.3 %(抗菌・溶菌作用)
- オボトランスフェリン(鉄キレート・抗菌)
- コンアルブミン 12 %(鉄結合・抗菌)
- アルブミン(アレルギー対象)
100 g 当たりの栄養成分は、エネルギー 52 kcal、タンパク質 10.9 g、ビタミンB2 0.439 mg、ビタミンB9 4 µg、ナトリウム 166 mg、カルシウム 7 mg、鉄 0.08 mg、セレン 20 µg、その他水分 87.57 gである。
読みは「らんぱく」で、対義語は「卵黄(らんおう)」である。
カラザの構造と機能
カラザは卵白の一部で、卵黄を卵白の中央に固定するヒモ状構造である。
主成分はたんぱく質で、シアル酸を含む。
リゾチームの含有量は卵白の約3倍とされ、ウイルスから細胞を保護し、免疫力向上や癌細胞転移抑制とされる。
卵黄の特徴
卵黄の色は鶏のエサに依存し、トウモロコシで黄色、パプリカ・甲殻類で赤、色素抑制で薄色になる。色と栄養価はほぼ無関係である。
構成は水分約50 %で、残りは脂質とたんぱく質である。コリンを含み、脳の発達に重要とされる。
15分以上ゆでると卵白タンパク質が熱分解し硫化水素が生成、鉄と結合して暗緑色に変化する黒ずみが起きる。健康被害はなく、12〜13分以内にゆで、すぐに冷水で冷やすと防止できる。
機能と役割
- 卵白は卵黄を保護し腐敗を防止、胚に必要な水分を供給、リゾチーム・オボトランスフェリン・コンアルブミンによる抗菌・抗ウイルス作用を有する。
- カラザは物理的に卵黄を固定し、リゾチーム増量による免疫・抗菌効果を示す。
- 卵黄は脂質・たんぱく質・コリンを供給し、栄養源として機能する。
産業利用と調理情報
キユーピーは年間取り扱い卵 25万トンで、日本の年間生産量約10 %に相当する。
同社の割卵機は1分間に600個の速度で卵を割り、卵黄と卵白を自動分離し、定期洗浄で衛生管理を行う。
研究成果として、卵殻膜が細胞増殖・コラーゲン生成を促進することが解明されている。
調査結果は、親子で卵料理を作る経験が子どもの心理的発達に良い影響を与え、卵摂取量を増加させることを示す。
鮮度判定は新鮮卵で卵黄が盛り上がり指でつまめ、鮮度が低下すると卵黄が平べたく広がり卵白が拡がることで判断できる。
ゆで時間は12〜13分以内にし、すぐに冷水で冷やすと黄身の黒ずみを防止できる。15分以上ゆでると硫化水素が生成し黒ずみが起きるが、健康被害はない。
卵白はメレンゲ、淡雪、菓子の主材料として利用される。
歴史的文献と辞書定義
- 1269年『仙覚抄』:「しろみのおほくみゆれば」
- 1643年『料理物語』:「玉子のしろみをくはへする」
- 1969年『朝の悲しみ』:「白身が好きで、赤身が嫌い」
- デジタル大辞泉、日本国語大辞典、字通、日外アソシエーツは白身の多義的意味を解説している。
関連語と多義性
白身は魚肉の白い部分、木材の白い部分、ヒノキ科常緑針葉高木(イブキ)の別称としても用いられる。
曖昧さ回避ページとして「白身」は複数意味を持つ語句の一覧ページがあり、クリエイティブ・コモンズ 表示‑継承ライセンスの下で利用可能である。
漢字情報は「白」部の音読みハク・ビャク、訓読みしろ・しら、「卵」部の音読みラン、訓読みたまご、画数7である。
#卵白 #カラザ #卵黄 #リゾチーム #キユーピー