2026/08/22

在留外国人構成と薬物犯罪増加データ2024年版


在留外国人の構成(令和6年6月末)

在留外国人は約312万人で、国籍別の割合は次のとおりである。中国籍 22.7%、ベトナム籍 18.6%、フィリピン籍 6.6%、ネパール籍 6.4%、インドネシア籍 5.8%、韓国籍 5.8%、台湾籍 5.4%、米国籍 4.5%、ミャンマー籍 3.5%、ブラジル籍 3.0%、その他 17.9%。

来日外国人の犯罪全体

ベトナム人と中国人が犯罪検挙件数の約60%、検挙人員の約50%を占める(令和6年)。窃盗・万引きの検挙件数ではベトナム人が最も高く、詐欺の検挙件数でも中国人とベトナム人が高い割合を示す。24歳ベトナム人男性が埼玉県のコンビニで電子決済不正利用・詐欺罪で逮捕された(令和6年2月・4月)。

薬物事犯の全体検挙状況

令和6年の薬物事犯検挙人員は13,462人である。そのうち暴力団構成員等は17.4%(2,346人)に上る。

覚醒剤事犯の検挙人数は前年増加し、全薬物事犯の45.5%を占める。大麻事犯の検挙人数は全薬物事犯の45.1%で、初犯者や20歳代以下の若年層が多い。

来日外国人による薬物事犯

来日外国人の薬物事犯検挙人員は947人で、前年に比べて77人(+8.9%)増加した。

暴力団の関与状況

  • 密売関連事犯検挙人員は767人。そのうち32.9%(252人)が暴力団構成員等。
  • 覚醒剤密売関連事犯は387人で、50.6%(196人)が暴力団構成員等。
  • 大麻密売関連事犯は318人で、14.8%(47人)が暴力団構成員等。

薬物密輸入事犯の動向

検挙件数は327件で前年比22.0%減(-92件)。検挙人員は395人で前年比20.2%減(-100人)。覚醒剤の押収量は前年より増加している。

組織的密輸の具体例

令和6年2月、稲川会傘下組織の55歳幹部がタイから国際郵便でボクシングミット内に大麻を隠匿し密輸した。同年10月までに、警視庁・千葉・神奈川で4人が大麻営利目的輸入で逮捕され、約3kgが押収された。

外務省の啓発活動

このような組織的密輸事案を背景に、外務省は多言語での啓発を実施している。

  • 英語・タイ語・ベトナム語・中国語(簡体・繁体)・韓国語・ロシア語・タガログ語・ポルトガル語のリーフレットを配布。
  • 「大麻に関する海外渡航者への注意喚起用ポスター」等PDF(699KB)を作成・配布。
  • 「薬物の運び屋にならないで!」「日本における薬物規制状況について」などの資料を提供。
  • 薬物乱用対策推進会議に参加し、情報共有と対策強化を推進。

税関の摘発事例

沖縄地区税関は、米兵がリュックサックから麻薬を所持し、保安検査で押収された件を告発した。

法制度と取締りの変更

令和6年12月に大麻取締法および麻薬及び向精神薬取締法の一部が改正施行された。

薬物取締部(厚生労働省)の業務

麻薬・向精神薬・覚醒剤原料の輸入・輸出手続きを管轄し、薬監証明制度を運用する。

薬監証明制度の要件は次のとおりである。

  • 2か月分超の処方薬、1か月超の麻薬・向精神薬、すべての注射器、メチルフェニデート系薬(コンサータ・リタリン)は必須。
  • 申請は無料で、必要書類は申請書・英語医師証明書・パスポートコピー・薬の添付文書。
  • 提出期限は出入国日の2週間前まで。
  • 許可書は日本語と英語の証明書が各1通交付され、入国時に税関へ提示。
  • 許可は本人以外への薬剤委託・郵送は不可で、出入国に限り有効。

日本の薬事規制

禁止薬物の持ち込みは入国拒否、数週間の拘留、最大5年の禁固、永久入国禁止の対象となる。アンフェタミン類には「ゼロトレランス」政策が適用され、税関は薬物持ち込みを検査する。

医薬品持ち込みに関する国内手続き

麻薬・向精神薬・覚醒剤原料は地方厚生局長の許可申請が必要である。向精神薬は医師診断書があれば許可不要だが量制限がある。手数料はかからないが、診断書発行料は3,000〜5,000円程度。

コンサータ・リタリンは薬監証明があれば持ち込み可能。ストラテラ・インチュニブは非管制薬で、2か月以内の持ち込みは証明書不要。

申請は入国港の検疫所(成田・羽田・関西・中部・福岡)へ10営業日以上前に郵送またはFAXで行う。許可書は紙のコピーが必須で、電子版は認められない。国際線乗り継ぎエリアに留まるだけの場合は通常適用外だが、荷物受取や入国手続きが必要な場合は適用される。