本文が0文字の論文
ロバート・フィエンゴとハワード・ラズニクは1972年に*Linguistic Inquiry*にタイトル・著者・所属のみを掲載し、本文を0文字とした。
デニス・アッパーは1974年に*Journal of Applied Behavior Analysis*で「書けない症状の自己治療失敗」をテーマに本文0文字の論文を掲載し、査読結果は「欠陥なし」と評価された。この論文は100回以上引用されている。
言語学および心理学分野で本文0文字の論文が複数存在することが言及されている。
猫が著者の論文
ジャック・H・ヘザリングトンとF. D. C. Willardは1975年に*Physical Review Letters*で「Two-, Three-, and Four-Atom Exchange Effects in bcc ³He」を発表し、猫「チェスター」の父親名「F.D.C. ウィラード」からイニシャルを作成した。
この共著は1978年にグルノーブルで開催された第15回低温物理学国際会議で公表された。
F. D. C. Willardは単著で1980年に*La Recherche*に「L'hélium 3 solide. Un antiferromagnétique nucléaire」を掲載し、世界初の猫共著者として認知された。その後、学術界から姿を消した。
著者数が5000人超える論文
2015年に*Physical Review Letters*に掲載された「Combined Measurement of the Higgs Boson Mass…」は著者数が5 154人であり、全33ページの約7割が著者情報で構成されている。
最終ページの所属枝番は344番まで付与されている。
この論文はATLAS Collaboration と CMS Collaboration の共同研究成果であり、LHCで取得した膨大なデータと2チームのクロスチェックが多数著者化の要因となっている。
大規模実験と共同執筆のメカニズム
LHCは世界最大の円形加速器であり、ヒッグス粒子質量測定に膨大な実験データを取得する。
取得したデータは統計的に誤った結果が出やすい性質を持つ。
ATLAS Collaboration と CMS Collaboration がそれぞれデータ取得・処理を行い、結果をクロスチェックした。
両チームが同一結果を得たため、数千人規模の共同著者リストが成立した。
近年の著者数増加傾向
自然科学分野では著者1人の論文は稀であり、5人以下もかなり少ない。
10人以上の著者が名を連ねることは珍しくない。
大規模実験やビッグデータ時代により、100人超の著者が頻繁に見られ、1 000人超は稀で話題になる。
Gemini 2.5 とプレプリントの特徴
Gemini 2.5はGoogleが開発した最新AIチャットボットである。
プレプリント版では3 295人の著者が掲載され、異常な著者数が注目された。
プレプリントは学術誌掲載前の“下書き”として機能し、近年はオープンアクセスやデータ共有など多様な目的で利用されている。
他分野の変わった論文例
- Watson & Crick(1952年)DNA二重らせん構造を2ページで報告した。
- ロバート・フィエンゴ & ハワード・ラズニク(1972年)本文0文字の言語学論文。
- デニス・アッパー(1974年)本文0文字の心理学論文、引用回数100回超。
ブラックホール研究のプレプリント例
2020年の研究では「地球の5倍の質量を持つブラックホールの直径が9 cm」と算出された。
この研究にはA4用紙に収まる実寸大図が添付されたが、正式掲載は見送られた。
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