2+2会合と合意内容
2024年4月21日、インドネシア外相兼防衛相は中国外相兼防衛相と「2プラス2会合」を開催し、中国がインドネシアで弾薬・ミサイル工場を共同建設する旨を発表した。
2026年8月21日に実施された第2回2+2会合(防衛・外交)では、同工場の稼働開始を2027年とし、技術移転を含む共同建設に合意した。
同会合では人員交流の拡大と共同演習(例:Heping Garuda)の強化も合意された。
同日、王毅中国外相はジャカルタでインドネシア外相スギオノと包括的戦略対話を行い、持続可能な貿易発展とAI分野協力の拡大について合意した。
中国防衛相董軍はインドネシア防衛相シェフリと個別会談を実施した。
弾薬・ミサイル工場共同建設計画
計画はインドネシア国内に弾薬・ミサイル工場を共同で建設することを目的とする。
中国は技術移転を通じて支援することが合意された。
工場の稼働開始は2027年を目標として設定された。
人員交流と軍幹部派遣計画
インドネシア防衛相シェフリは、中国へ軍幹部を派遣し、教育・訓練プログラムを実施する計画を公表した。
台湾問題に関する表明
インドネシア外相スギオノは、台湾統一を支持し「一つの中国」政策を揺るがさない旨を表明した。
王毅中国外相は、同表明を受けて台湾問題に関する立場の一致を確認した。
海上訓練の実施状況
2026年8月12日、インドネシア海軍艦KRI I Gusti Ngurah Rai(332)と中国海軍艦紅河(523)は台湾東側海域で通航訓練を実施し、訓練は台湾EEZ内で行われたことがAISデータで確認された。
同艦は2026年8月1日から8日まで日本横須賀港に寄港し、相模湾で日本海上自衛隊と共同訓練を実施した。
2026年7月19日に韓国釜山に寄港し、7月23日にロシア・ウラジオストクに到着、ロシア海軍と演習を行った。
「Orruda 2026」演習は、2024年11月ジャワ海で実施された合同演習に続く第2回目である。
台湾当局は同訓練を「軍事的挑発」とし、直ちに中止すべきと指摘した。
ASEAN諸国との防衛協力比較
中国はインドネシアをASEAN最大の経済大国と位置付け、持続可能な貿易とAI協力で相互利益を追求すると表明した。
- カンボジア:毎年Golden Dragon演習で中国と防衛協力を実施。
- タイ:Falcon Strike・Blue Strike等で中国製装備を導入。
- マレーシア:Aman Youyi演習と2+2対話を継続。
- ベトナム:2025年に初の陸軍共同訓練(Hand‑in‑Hand 2025)を実施。
- ラオス・ミャンマー:中国が主要防衛パートナーとして装備供与と訓練を実施。
- フィリピン:対中防衛協力はほぼなし。
- シンガポール:Exercise Cooperationで実務的交流に留める。
現在の課題
- 米国との防衛連携を維持しつつ、中国との防衛協力を拡大する二重政策の運用。
- 南シナ海における摩擦の継続。
- 弾薬・ミサイル工場の共同建設が防衛産業基盤に与える影響。
- インドネシアの「中国統一支持」表明が台湾問題に関する立場の明示となっている。