ホンダとスーパーカブの歴史
ホンダは1958年に初代スーパーカブ(C100)を発売した。開発は本田宗一郎と藤沢武夫が「誰でも簡単に乗れるバイク」を目指して行った。1997年にリトルカブを発売し、プライベートユース層を拡大した。2009年に国内専用モデルとしてスーパーカブ110(型式JA07)を発売し、以降は2012年と2017年に中国と熊本製作所間で生産拠点の往復を実施し、価格調整やデザイン変更が行われた。
スーパーカブ110のモデル変遷
スーパーカブ110は以下の型式で世代交代を遂げている。
- JA07(2009‑) 110cc PGM‑FIエンジン、ピストン裏オイル噴射、2段クラッチ、テレスコピック式フロントサスペンション、LEDヘッドライト、低フリクションエンジン、バックボーンフレーム採用。発売価格は24万9900円。
- JA10(2012‑) フルモデルチェンジに伴い角形ヘッドライトを採用し、製造拠点を中国に移転。価格は22万8000円に引き下げ。
- JA44(2017‑) 生産拠点を熊本製作所に戻し、丸形LEDヘッドライトに復帰。シート素材を最適化。
- JA59(2022‑ 現行型) ロングストローク型109ccエンジンを搭載し、最新の安全装備と液晶メーターを装備。カラーバリエーションはグリントウェーブブルー、タスマニアグリーン、バージンベージュ、クラシカルホワイトの4色。
現行モデル(JA59)の主要仕様
- エンジン:空冷4ストロークOHC単気筒、ボア47.0mm、ストローク63.1mm、圧縮比10:1、PGM‑FIフューエルインジェクション、レギュラーガソリン使用。
- 出力:最高出力8.0PS(5.9kW)/7500rpm、最大トルク0.90kgf·m(8.8Nm)/5500rpm。
- 燃費:WMTC測定値は67.9km/L、定地測定値は105km/L(1名乗車時)。
- ブレーキ:前輪油圧ディスクブレーキ+1チャンネルABS、後輪は機械式。
- サスペンション:テレスコピック式フロントフォーク、スイングアーム式リアサスペンション。
- ホイール:キャストホイール+チューブレスタイヤ。
- ライト:丸形LEDヘッドライト。
- 計器:液晶メーター(速度警告灯、ギアポジション、燃料計、時計、トリップ、走行距離、平均燃費)。
- 車両重量:101kg、燃料タンク容量:4.1L。
プロ・Lite バリエーション
業務用モデル「スーパーカブ110 プロ」は14インチキャストホイール、大型フロントバスケット、リアキャリアを装備し、前輪ディスクブレーキ+ABSを採用する。価格は税抜396,000円である。2022年にフロントディスク化、キャストホイール・チューブレスタイヤ化、メーターにギアポジション表示が追加された。
2025年12月発売予定の「スーパーカブ110 Lite」は新基準原付(最高出力3.5kW以下)に対応し、原付免許で走行可能となる。同時に「スーパーカブ110 プロ Lite」も設定される。
技術・安全装備
エンジンは低フリクション設計で燃費が向上し、耐久性が高まる。
- 前輪ディスクブレーキは1チャンネルABSと組み合わせ、ブレーキ操作を補助する。
- テレスコピック式フロントフォークとスイングアーム式リアサスペンションにより走行安定性を確保。
- キャストホイールとチューブレスタイヤはパンク時の修理が容易。
- 大型レッグシールドとリアフェンダーは風・泥・飛び石からライダーを保護。
- 液晶メーターはギアポジション、燃料計、走行情報を一目で確認できる。
- 荷掛けフックは1.0kgまで積載可能で、大型リアキャリアが追加荷物の運搬を支援。
市場・販売状況
- 標準モデルのメーカー希望小売価格は税抜352,000円。
- プロモデルは税抜396,000円、クロスカブ110は税抜412,500円、くまモンバージョンは税抜423,500円。
- 2025年10月に価格改定とカラーバリエーション変更が実施された。
- 新車実勢価格帯は289,000円〜445,000円で、在庫は711台。
- 中古価格帯は129,900円〜428,000円で、在庫は255台。
- ビジネスバイク&ミニバイクカテゴリーでランキング61位、ユーザーレビューは4.5点(22件)。
- オーナー登録数は1,539人、登録サークルは1件。
- 原付二種(109cc)として軽自動車税は年額2,400円(2025年現在)。任意保険はファミリーバイク特約で年間約10,000円前後。
メンテナンスと耐久性
- エンジンオイル交換は1,000〜3,000kmごとに実施。
- チェーン清掃・調整は500〜1,000kmごとに実施。
- エアフィルター清掃・交換は5,000kmごとに実施。
- ブレーキパッドは毎月点検。
- スパークプラグは6,000〜8,000km、チェーン&スプロケットは15,000〜20,000km、タイヤは10,000〜15,000km、バッテリーは2〜3年ごとに交換推奨。
- エンジン寿命は10万kmを超える事例が報告されている。
- 部品供給体制は10年以上継続し、旧モデル部品も入手可能。
- シンプル構造と部品少数化によりDIY整備が容易。
- 東南アジア諸国(タイ・ベトナム)で数十年走行実績がある。
課題と将来展望
- 2025年4月施行の「新基準原付」(125cc以下・最高出力4.0kW以下)には該当せず、原付二種として位置付けられる。
- スーパーカブ110 Liteは新基準原付対応で最高出力3.5kW以下に抑制される。
- ロングストロークエンジンにより排出ガス規制に対応し、燃費はWMTCで67.9km/L、定地で105km/Lを維持。
- 2025年12月の新色・価格改定と同時に、スーパーカブ110シリーズ全体のラインアップ拡充(Lite、プロLite)が実施される。
- 燃費向上と低排出ガス技術の継続開発により環境規制への適応を図る。
- グローバル市場で「ビジネスバイクの絶対王者」ポジションを維持し、カスタマイズ自由度を活かしたユーザーコミュニティの拡大を目指す。