2026/08/26

中国産白菜にホルムアルデヒド使用、食の安全危機


事件の概要

2023年8月22日、中国のSNSに白菜を防腐液に浸す動画が投稿された。出荷業者は「鮮度が2〜3日保てる」と主張したが、液体にホルムアルデヒドが含まれていることが後に判明した。

人民日報はこの事実を確認し、流通の食い止めを報じた。河北省張家口市康保県の買い付け現場映像が環境系ブロガーにより公開され、公式に事実と認められた。

使用された化学物質(ホルムアルデヒド)

ホルムアルデヒドは防腐作用を持ち、無色・揮発性の化学物質である。生物標本などでも使用される。

国際がん研究機関(IARC)はホルムアルデヒドをヒトに対する発がん性が十分に認められるグループ1に分類した。

米がん協会は高濃度曝露ががんリスクと関連する可能性を指摘し、低濃度の影響は不明としている。

中国側の対応と法規制

康保県人民政府は本件を違法行為と認定し、公式声明を発表した。公安当局は関係業者と車両を拘束し、流通先を緊急追跡した。

国務院食品安全弁公室、農業農村部、国家市場監督管理総局は全国野菜の緊急抜き取り検査を指示した。上海市の青果市場は対象白菜を廃棄し、販売を停止した。

中国食品安全法および農産物品質安全法により、食品加工助剤としてのホルムアルデヒド使用は全面禁止され、違反は行政罰則の対象となる。

日本側の対応

厚生労働省は問題の白菜が日本に流入していないか確認中である。ホルムアルデヒドは食品に使用できないため、通常の検査対象外とコメントした。

消費者庁と農林水産省も検査強化を検討・実施している。日本国内の生鮮白菜輸入比率は1〜2%で、主に加工・業務用(冷凍野菜含む)に利用されている。

市場・消費者への影響

上海市内の青果市場で販売が停止されたことを受け、同市民は今後白菜を購入しない意向を示した。

ソウルの消費者は中国産白菜を使用したキムチの安全性に不安を抱き、韓国の飲食店は中国産白菜使用のキムチ提供を見直す圧力が高まっている。

中国産白菜の主要輸出先であるベトナム、韓国、ロシアでは輸入検査が強化される可能性がある。

過去事例と生産規模

山東省などで過去にホルムアルデヒドを食品に使用した事例が報じられている。

中国は年間3000万トン以上の白菜・キャベツ類を生産し、世界生産量の約半分を占める。