背景と経緯
2024年6月に、立憲民主党栃木県連に党員登録している男性(通称「こっさん」)が生成AIを用いて「中村りほ@立憲民主党」アカウントを作成した。
作成者は、女性や子育て、性暴力被害などの問題について発信したいという動機で架空の人物を設定した。
2026年8月19日にアカウントが凍結され、同日書面で「非常に軽率だった」と謝罪した。
AI議員「中村りほ」の設定
「中村りほ」は架空の女性政治家・議員候補として設定された。
公認は得ておらず、非公認アカウントとして運用された。
プロフィール文は「性暴力から妊娠、出産。経験を生かし女性が安心して暮らせる社会を目指します」である。
生成AIの特性と画像指摘
生成AIは画像・経歴・文章を短時間で作成でき、低コストで多数の架空人物を生成できる。
本アカウントに使用された女性画像はAI生成とみられ、経歴・投稿文もAIが自動生成した可能性が高い。
XのコミュニティノートでAI生成画像が指摘され、「中村りほ」は実在しないと確認された。
作成者のプロフィール
作成者は鉄道趣味のインスタグラムアカウントを運用していた男性党員である。
2022年に市議会議員候補の女性政治家と出会い、選挙活動を手伝ったと報告している。
Xでも同女性政治家に関わる投稿を多数行い、杉尾秀哉・蓮舫参議院議員とのツーショットを掲載した。
県議会選挙で男性候補の選挙運動にも参加した。
インスタグラムは2026年8月20日現在も公開されている。
アカウントの運用と投稿内容
作成日:2024年6月。凍結日:2026年8月19日。凍結後、党の指摘を受けて非公認アカウントは削除された。
- 2024年2月10日:「お腹の中の小さな命を守りたい」+妊娠写真。
- 2024年8月15日:「3620gの女の子を出産しました」+感動コメント。
- 2026年8月14日:「出産後初の政治活動。鹿沼市のお宅を訪問」。
- 靖国神社参拝報告とAI生成女性画像の同時掲載。
発信テーマは性暴力・望まない妊娠・出産体験、女性支援・子育て支援・農業振興・地域活性化・福祉充実、そして政治活動を装った日常報告である。
立憲民主党の対応
本件を把握した立憲民主党本部と栃木県連は、作成者に「立憲民主党」と名乗らないよう指導した。
AI生成画像を政治的発信に用いることは不適切と警告した。
現時点で組織的関与や処分の有無は未確認であり、除名・処分の発表はない。
栃木県連代表・大貫毅氏と事務局長は「一切関与していない」旨を表明し、アカウント運用依頼は行っていないと説明した。
立憲民主党議員は非公認アカウントをフォローしていたことが確認されたが、公式な関与はない。
著名フェミニストの反応
本件について、著名フェミニストからの言及は確認されていない(言及ゼロ)。
外部報道と専門家の指摘
ジャーナリスト堀潤氏は取材により作成者が党員男性であることを確認し、書面で「非常に軽率だった」との謝罪文を受領した。
専門家は、女性政策を語る際は当事者である女性の発信がSNSで共感を得やすいと指摘した。
同時に、生成AIのコスト低下が偽人物作成を容易にし、境界感覚の麻痺を招く可能性があると指摘した。
ネット・有権者からは「気持ち悪い」「AIに子供を産ませる?」などの憤りと困惑が多数寄せられ、AI偽人物が政治信用を揺るがす事例として議論が拡散した。
法制度・規制の現状
2026年7月に改正公職選挙法・情報流通プラットフォーム対処法が成立し、AI生成・改変画像・映像に「AIで作成した」旨の表示義務化が定められた(施行は2027年3月1日)。
本件は選挙運動用実写誤認画像ではないため、現行法の対象外と整理された。
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