2026/08/24

ハンターカブCT125復活、販売好調と性能徹底分析


開発背景と販売実績

CT125は狩猟用に開発されたが、レジャー用途へ転換した結果、大きな人気を得た。2020年6月に型式JA55として「ハンターカブ」シリーズが125ccモデルで復活し、CT110以来約40年ぶりの再登場となった。2020年度の販売計画は8,000台、2022年度は14,000台へ拡大し、以降もヒットが続いている。2020年10月に第46回東京モーターショーでコンセプトモデルが展示され、市場期待感が高まった。米国市場では同年11月に「TRAIL125」名で発売された。

系譜

先行モデルは1962年に北米向けに発売されたC105H(ブロックタイヤ・大型リアスプロケット装備)と、1981年に登場したCT110(排気量105 cc)である。CT110はオーストラリアで2012年まで生産され、日本でも輸入販売された。

現行JA65型の主要スペック

  • エンジン:123 cc 空冷4ストローク OHC 単気筒、ロングストローク化により最高出力 9.1 PS(6.7 kW/6250 rpm)
  • 最大トルク:1.1 kgf·m(11 Nm/4750 rpm)
  • 全長 1,965 mm、全幅 805 mm、全高 1,085 mm、シート高 800 mm、最低地上高 165 mm
  • 車両重量:118 kg(JA55は120 kg)
  • 燃料タンク容量:5.3 L
  • 燃費(WMTC):単乗員時 66.9 km/L、2名乗員時 63.0 km/L
  • 航続距離:約350 km以上(給油なし)

フレーム・足回り・走破性

スーパーカブC125系フレームをベースにヘッドパイプ周辺とピボット部を強化し、最低地上高165 mmを確保した。右側高位置通過のアップマフラーが走破性を向上させ、前後ディスクブレーキと前輪ABSが標準装備されている。ハンドルはワイド、サブフレームとアンダーガードが付属し、リアスプロケットは39T(C125は36T)である。

装備と実用性

  • 大型スチール製リアキャリア(縦477 mm×横409 mm、フック4か所)
  • アップマフラーとハイマウント吸気ダクトによりホコリ吸入が低減
  • 前後ディスクブレーキ、ABS、セルフスターター+キックスター
  • PGM‑FI方式フューエルインジェクション、油圧式ディスクブレーキ、テレスコピック前フォーク
  • USBソケット、M8ネジ穴、センタースタンド補強プレート、サイドスタンド座面拡大

カラーバリエーションと仕様変更の履歴

  • 2022年12月:排ガス規制対応でロングストロークエンジン採用、排気量123 ccに変更
  • 2023年11月、2024年10月、2026年1月:カラーバリエーション変更
  • 2026年モデル:アステロイドブラックメタリック、マットフレスコブラウン、グローイングレッドの3色展開
  • 2024年12月:バックミラー形状の小変更
  • 2026年2月20日:新色ブラック・ブラウンが追加、計3色展開

製造・販売体制

本体はタイのThai Honda Co., Ltd.で生産され、タイ国内でも販売されている。輸入事業者は本田技研工業株式会社で、型式は8BJ‑JA65が継続、JA55は2BJ‑JA55であった。

価格と法規制

メーカー希望小売価格は税込み495,000円である。第二種原動機付自転車(原付二種)に該当し、AT小型限定普通二輪免許以上が必要となる。2025年4月に施行される新基準原付(排気量125 cc以下・最高出力4.0 kW以下)には該当せず、高出力モデルとして差別化が可能である。

競合比較と性能評価

  • エンジン出力9.1 PSは同クラススポーツモデルの約60%、PCX125の約75%に相当
  • 最高速度 約90 km/h
  • 平均燃費 55‑56 km/L(平坦路で60 km/L、山道でも50 km/L以上)
  • 300 km走行時の燃料費 約1,000円(2026年2月時点のガソリン価格)

ユーザーレビューと課題

  • ヘッドライトが暗く夜間視認性が低い
  • シートが硬く長時間のツーリングで不快感が生じる
  • メーターが低位置にあり視認性が低い
  • 前輪が軽く、荷物積載時にフロントが浮きやすい

カスタマイズ性と将来展望

  • カスタムパーツが豊富で取り付けが容易
  • アウトドア需要の拡大とレジャー志向の高まりが販売拡大の背景となっている
  • 新基準原付への非該当が高出力モデルとしての差別化要因
  • 2026年の新色・価格設定が市場刺激策として機能
  • 今後はヘッドライト・メーター位置の再設計、オプションシートやサスペンションチューニングの拡充、前輪荷重バランス改善のためフレーム・サスペンションの微調整が検討されている