2026/08/24

経営管理ビザ改正で激変 東京高級タワーマンション市場


経営・管理ビザの制度改正と行政対応

2025年10月16日の制度改正により、経営・管理ビザの新規申し込み件数は約96%減少した。

改正後は、常勤職員の雇用義務、 日本語能力がN2相当以上、 修士号または3年以上の経営経験が必須となった。

資本金要件は500万円以上から3,000万円以上へ引き上げられた。

更新が認められない場合、出入国在留管理庁は30日以内の出国命令を行う。

30日間の出国準備期間しかないため、保有資産を急速に現金化せざるを得ない。

以前は「ザル法」的に受け入れが優先され、ペーパーカンパニーの利用が横行していたが、2025年以降は実体審査が強化された。

小野田紀美氏は第一次・第二次高市内閣で外国人政策担当大臣を務め、ビザ厳格化の政策決定に関与した。

出入国在留管理庁はビザ審査の大幅厳格化とペーパーカンパニー排除の実地調査を実施した。

中国人富裕層の投資行動と資金環境

COVID-19以降の移住ラッシュにより、中国人富裕層は都心タワーマンション価格上昇を牽引した。

2026年に東京港区・湾岸エリアの高級タワーマンションが急売物件として市場に投入された。

ビザ更新不可と出国命令に伴い、保有物件を短期間で投げ売りせざるを得ない状況が生じている。

中国政府はGDP成長率目標を4%台後半で達成と発表したが、実質成長率は1%台前半、最悪でゼロ%に近いと推定されている。

国有鉄道企業の過剰インフラ投資により累積赤字が増大し、上海総合指数も下落している。

個人の外貨購入上限は年間5万米ドル相当であり、資金調達が逼迫している。

海外富裕層が法人設立を通じて取得したビザも、実体の乏しい投資会社やコンサル会社の維持が困難になっている。

東京高額タワーマンション市場の動向

東京都中央区の2億円以上中古マンションの成約件数は2026年に前年比約60%減少した。

2026年4月時点の東京23区70㎡中古マンション平均価格は1億2,724万円で、24か月連続上昇している。

短期間の売却により、数億円規模のタワーマンションが指値以下で取引される事例が増加した。

2025年の首都圏新築分譲マンション平均価格は9,182万円である。

同年の東京23区の平均価格は1億3,613万円、都心6区は1億9,503万円である。

国土交通省の調査(2025年1〜6月)では、取得者の国外住所保有者割合は東京都3.0%、東京23区3.5%、都心6区7.5%であった。

高価格帯不動産の成約ペースが低下し、取引スピードが鈍化している。

売り急ぎによる安値取引が近隣物件の査定相場に下落圧力を波及させている。

日本国内および国際的なマクロ要因

低金利が長期化し、相続・資産防衛マネーが東京不動産へ流入している。

円安により外貨資産保有者は東京不動産を相対的に安く感じている。

建築費・人件費の上昇、都心用地不足、新築供給減少が供給側圧力となっている。

世界的な金利上昇トレンドが資金コストを増大させている。

日本の金融機関は短期転売目的の融資審査を厳格化し、ローン組成が容易でなくなっている。

不動産取引に関する政策・報告制度

2026年4月から外国人の不動産取得は「投資目的」だけでなく「住宅目的」も報告対象に拡大された(ロイター)。

調査では都心6区の2億円以上高額物件で国外住所者の活発な購入傾向は見られない。

衆議院調査局の資料によれば、農地等を除き外国人・日本人問わず不動産売買に実質的な規制はなく、事後届出制度はあるが価格は審査対象外である。

不動産コンサルタントは、タワーマンションが駅近、眺望、共用施設、コンシェルジュ、セキュリティ、大手デベロッパー等の要素で外国人買い手に説明しやすい商品であると指摘している。

中国語圏買い手が好むエリア

中国語圏の買い手が好むエリアは以下の通りである。

  • 港区・中央区湾岸
  • 千代田、渋谷、新宿、文京
  • 豊洲・勝どき・晴海・月島
  • 麻布・赤坂・六本木・白金・高輪
  • 池袋・東池袋
  • 品川・大崎・目黒