政策・背景
国土交通省は2031年9月から新型車にドライバーモニタリングシステム(DMS)を搭載することを義務化する方針を発表した。
対象は国産車・輸入車すべてである。
2033年には継続生産車(既存モデルの生産継続車)へも義務化を拡大する予定である。
2024年9月に道路運送車両法に基づく保安基準を改正し、法制度上で義務化を実施する。
義務化の目的は増加する「ながらスマホ」運転による事故抑止である。
ドライバーモニタリングシステム(DMS)の機能
DMSはカメラとセンサーで運転者の視線方向、顔向き、まぶた、眼球運動を監視する。
危険な運転挙動を検知すると警報音を鳴らす。
- 時速50 km以上で視線が手元付近に3.5秒以上留まると作動
- 時速20‑50 kmで視線が手元付近に6秒以上留まると作動
- 時速70‑130 kmでまぶた・眼球・ハンドル操作から居眠りを判定し作動
本システムは2023年3月にWP29が採択した国際基準に準拠している。
DMSは補助機能であり、運転中のスマホ操作は別途違反行為として扱われる。
対象は2021年以降に販売された新型車のみで、現行車両は対象外である。
道路交通法に基づく罰則
- スマホを保持し通話または画面注視状態で運転した場合:6か月以下の懲役または10万円以下の罰金
- スマホ使用により交通の危険を生じさせた場合:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
- 2019年12月の改正により違反点数と反則金が引き上げられ、罰則が厳罰化された
- 自転車における「ながらスマホ」使用も罰則対象となっている
装置の有無に関わらず、運転中のスマホ操作は違反行為と位置付けられる。
事故例と政策決定への影響
高速道路で大型トラックが渋滞列に衝突し、6人が死亡した事故が発生した。
この事故は「ながらスマホ」や居眠り運転が要因とみられ、DMS義務化の政策決定に影響した。
価格上昇予測と市場への影響
装置義務化により平均車体価格が約100万円上昇すると予測されている。
高機能安全技術の全車種への義務化は価格上乗せリスクを伴う。
世論と今後の安全対策の方向性
SNS上では「無駄に高くなる」や「まずはアルコール検知を」といった意見が拡散している。
一部の違反者が全車種の価格上昇を招くことへの不安の声が顕在化している。
従来はハード面(自動ブレーキ・ペダル踏み間違い防止装置)中心の安全対策であった。
今後はソフト面(運転者状態監視)に重点を置く方針が示された。
DMSは補助的機能であるため、根本的な「スマホ操作しない」行動変容が求められる。
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