料金改定の概要
東京都内の住宅型有料老人ホームは、2023年8月と2026年8月に利用料を月額10万円から月額30万円へ3倍に引き上げた。
通知は5月に入居者担当のケアマネジャーが受け取っている。
社長は、7年前の開業時水準に戻すことと、同業他社との価格競争で過去に値下げを繰り返したことを背景に、今回の値上げを説明した。
利用料の内訳
- 家賃:月額18万円
- 管理費:月額12万円
- 食費:1日2,160円(約月額6.5万円)
施設・提供サービス
本施設は末期がんや難病患者を受け入れるホスピス型住宅である。
併設の訪問介護・訪問看護事業所では、看護師が24時間体制で対応している。
事業モデルは低家賃で入居者を集め、併設の訪問看護で医療保険の診療報酬を取得する。
業界・制度背景
訪問看護における過剰請求が問題視され、昨年の外部調査で大手事業者の不適切な看護が明らかになり、推定診療報酬請求額は約28億円である。
末期がん・難病患者は医療保険で通常より多くの訪問看護を受けられる制度があり、過剰請求の背景となっている。
厚生労働省は2026年6月に診療報酬を改定し、同一建物内で複数患者への訪問看護報酬を半減させた。この改定により事業者の収入もほぼ半減し、料金値上げの要因となった。
同月以降、複数の住宅型有料老人ホームから料金値上げに関する相談が厚生労働省に寄せられている。
関係者のコメント
ケアマネジャー(男性)は、5月に受けた利用料3倍値上げの通知を「ひどい」と批判した。
運営会社の社長は、料金は開業時水準に戻したと説明し、価格競争と診療報酬改定による減収が値上げの主因であると述べた。また、不適切な診療報酬請求は行っていないと回答した。
高野龍昭(東洋大学教授・国の検討会メンバー)は、診療報酬を利用した過剰訪問看護が横行し、低価格競争で入居者を集めた点を指摘した。
全国的な傾向
退院後の終末期患者の受け皿として、住宅型有料老人ホームは過去10年間で約6倍に増加し、全国で約600カ所に拡大した。
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