麻布十番納涼まつりにおける集団食中毒の概要
2026年8月22日・23日に開催された麻布十番納涼まつりにおいて、集団食中毒が発生しました。116人が被害を訴え、そのうち男性48人、女性30人の計78人が下痢、腹痛、発熱を発症しました。3人が入院しましたが、現在は全員が退院しています。
原因食品は「割烹 こめを」が提供した「冷やし蟹ラーメン」(2,000円)と特定されました。患者全員の共通食事が当該商品のみであったことが根拠となっています。
検査の結果、患者31検体および「割烹 こめを」の調理従事者8人のうち2検体からサルモネラ属菌が検出されました。サルモネラ属菌は動物の腸管や河川などに分布し、卵や鶏肉などが主な原因食品となる菌です。今回は調理従事者から料理へ菌が混入したことが原因と推定されています。
店舗の営業状態と外部の反応
株式会社Fooppyが運営し、こめお氏が統括料理長兼経営者を務める完全予約制店舗「割烹 こめを」は、港区より9月3日から9日まで7日間の営業停止命令を受け、休止しています。当該商品は店内で調理され、保冷状態でイベント会場へ持ち込まれ販売されていました。
こめお氏と実業家・溝口勇児氏が共同経営し、株式会社蟹をが運営する蟹ラーメン専門店「かにを」は、9月4日時点で通常営業しています。別会社・別店舗であるため行政処分の対象外です。浅草に立地する同店は、外国人観光客向けに英語併記ポスターを掲示し、自主的な配慮による「ムスリムフレンドリー」を標榜しています。
本件に対する当事者および外部の反応は以下の通りです。
- こめお氏:X(旧Twitter)で謝罪し、治療費や返金などの補償方針を表明。22日に余った食材を23日に使い回した事実は否定しているが、料理人としての適性に悩み、「1から向き合う」として再開日未定の自主的な営業休止を表明
- 港区・みなと保健所:食品衛生法に基づき営業停止命令を執行
- 厚生労働省:50人以上の疑いがある場合の速報義務を港区が不履行であったことを指摘
- 堀江貴文氏:YouTubeにて食品衛生対策の優先を求める苦言を提示
- SNS利用者:「かにを」が通常営業を続けている現状に対し批判を展開
また、「東京カレー万博2026」や「大つけ麺博」などのイベント主催者は、安全確保を最優先とし、衛生手順の是正が確認されるまで復帰は困難と判断し、こめおブランド(かにを・割烹こめを)の出店を取りやめています。
衛生管理体制の是正と営業再開の条件
今後の衛生管理体制として、以下の是正ポイントが挙げられています。
- 温度管理の徹底(中心温度75℃・1分相当の加熱、60℃から21℃まで2時間以内の急冷、4℃以下の冷蔵)
- 生食材と加熱済み食材の動線分離による交差汚染の防止
- HACCPに沿った管理体制の再構築およびスタッフ教育
営業再開には、行政への改善計画書の提出、施設の清掃・消毒、スタッフの検便実施、および保健所による衛生管理体制の確認が必要です。
法的リスク
本件に関して、以下の法的責任を問われる可能性があります。
- 民事責任:治療費、休業損害、慰謝料などの損害賠償
- 刑事責任:衛生管理不備による業務上過失致傷罪