日本と中国の防衛予算規模
日本政府は、2026年度の防衛予算として過去最大の9兆353億円を計上しました。予算規模は12年連続で更新されており、GDP比ではおよそ1.6〜1.7%を維持しています。これはGDP比2%への倍増を目指す5か年計画の4年目に該当します。また、2025年度補正予算案で防衛費を11兆円に増額し、GDP比2%目標を前倒しで達成する見通しです。
一方、中国政府が公表した2025年度の国防費は約1兆7800億元(約36兆7600億円)です。前年比7.2%の増加となり、4年連続で7%超の増加率を維持しています。
日本の防衛力強化策と国際連携
日本政府は、予算措置を含む以下の防衛力強化策を推進しています。
- 予算内訳:装備調達、技術研究、施設維持費に全体の40%を充当し、予算を倍増。個別項目では、改良型スタンド・オフ・ミサイルに約9,733億円、ドローン取得に約2,800億円、情報・通信用衛星および電波妨害検知設備に約780億円を計上。また、自衛官の処遇改善に前年比42%増の5,814億円を計上。
- 具体的整備:熊本県への12式地対艦ミサイル(射程約1,000km)の配備、および新サイバーセキュリティ戦略における「能動的対処」の明記。
- 組織・開発:英国・イタリアとのAI搭載ドローン連携次世代戦闘機の共同開発、および航空自衛隊から「航空宇宙自衛隊」への名称変更。
国際連携については、2025年1月にブリュッセルへNATO外交使節団を開設しました。あわせて航空自衛隊の機材をカナダおよび欧州へ展開し、NATOとの連携を提示しています。
安全保障環境と日中の対立構造
日本政府は、中国軍による台湾周辺の軍事演習の常態化や領海・EEZへの侵入、中国軍機の領空接近やレーダー照射に伴う緊急発進回数の増加を懸念しています。また、北朝鮮の核・ミサイル開発およびロシアのウクライナ侵攻も背景に防衛力を強化しています。その際、専守防衛の原則、文民統制、平和憲法の遵守という基本方針を堅持しています。
これに対し、中国政府(外務省・国防省・国営メディア)は以下のように反発しています。
- 日本の動向を「軍国主義の復活」「邪悪な下心」とし、軍国主義の徹底的な清算、平和的発展の堅持、敗戦国としての国際的義務の厳守を要求。
- 敵基地攻撃能力の保持や前線基地化は専守防衛を逸脱しており、新サイバー戦略の能動的対処は「防御から攻撃への重大な転換」であると懸念。
- 台湾問題を「核心的利益」として日本による言及を内政干渉とみなし、高市政権による安全保障3文書改定や非核三原則見直しを「危険な方向」と批判。
外部機関の分析と今後の展望
外部機関(米国防総省・SIPRI・専門家)の分析では、中国の国防費の実態は公表額よりも著しく多いとされています。また、日本のサイバー戦略における能動的対処については、被害を防ぐための「防御的枠組み」であると分析されています。
今後の展望として、日本政府は2026年3月までの国家予算法案としての国会承認が必要であり、小泉防衛相が世界経済フォーラム(ダボス会議)にて説明を行う予定です。中国政府は、日本の軍拡を「新型軍国主義」として国際的に阻止し、歴史的清算を盾に日本の防衛政策変更へ強い圧力をかけ続ける方針です。
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