2026/08/30

呉旧鋼鉄工場を防衛拠点へ 多機能基地で地域活性化


歴史的背景

1951 年に旧日本海軍工廠跡地に日本製鉄瀬戸内製鉄所が建設された。

同跡地で戦艦大和が建造された歴史的拠点である。

2023 年に日本製鉄は同地区を全面閉鎖し、事業再構築補助金の産業構造転換枠に指定された。

防衛省と日本製鉄の土地取得契約

防衛省は日本製鉄株式会社が所有する瀬戸内製鉄所呉地区跡地の取得契約を令和8 年8 月28 日に締結した。

本契約は令和7 年7 月31 日に交わされた基本的事項合意を踏まえて実現した。

締結と同時に 293 KB の PDF(公表資料)が提供された。

取得した跡地(警固屋2丁目222番の2・3)は用途指定が解除され、緑地帯と倉庫用地として再編された。

多機能複合防衛拠点の整備計画

防衛省は取得跡地を多機能な複合防衛拠点として整備する方針を示した。

整備対象は以下の施設である。

  • 装備品製造施設
  • 研究開発ラボ
  • 物資備蓄倉庫
  • 火薬庫
  • 無人機製造施設
  • 防衛産業関連民間企業誘致エリア
  • 地域利用目的の運動場エリア

計画は防衛力整備計画等に基づく防衛力の抜本的強化につながると評価された。

早期の一括購入と整備を推進する方針が示された。

多機能複合防衛拠点整備推進委員会を設置し、機能検討と地元調整を統括している。

民間企業誘致エリアへの参画企業募集手続きは速やかに開始される。

小泉進次郎防衛大臣の方針

小泉進次郎防衛大臣は、呉地区が海上自衛隊の主要拠点であること、及び我が国の安全保障上極めて重要であることを声明した。

同氏は令和8 年8 月28 日の閣議後会見で、装備品製造と研究開発を担う民間企業の早急な誘致を表明した。

企業選定時には「地元経済への貢献」も考慮される方針が示された。

地域・経済効果に関する期待

呉市と呉市議会は令和7 年5 月に防衛省へ多機能拠点の早期整備を要望し、令和8 年9 月と5 月にも継続的に要請した。

市長(新原芳明)と市議会は本事業が以下の効果をもたらすと期待している。

  • 地元事業者の受注機会確保
  • 雇用の拡大
  • 先進的研究の実施
  • 防衛関連観光・交流人口の増加
  • 運動場等公共施設の地域利用

呉市は国の事業再構築補助金産業構造転換枠に指定され、補助率は2/3、上限は2,000万円である。

補助金の対象は日本製鉄取引額が売上高の10%以上を占める企業と定められている。

関係者の役割

  • 防衛省:取得契約締結、拠点整備計画策定、民間企業募集、地域調整、推進委員会設置
  • 日本製鉄株式会社:土地譲渡、事業再構築補助金対象枠への指定、子会社の間接的関与可能性
  • 小泉進次郎防衛大臣:安全保障上の重要性表明、民間企業誘致促進、地元貢献重視の企業選定方針
  • 呉市・市長・市議会:早期整備要望、地域活性化効果期待、補助金活用
  • 住民・地域団体:用途指定解除に伴う緑地・倉庫用地の再編、説明会開催