調査概要
東京新聞は2026年8月1日から26日までの期間に、Meltwaterで沖縄県知事選に関連するX投稿約5万9千件を収集・分析した。
発信地別シェアは東京が25%(約14,750件)、沖縄が17%(約10,030件)、大阪が8%(約4,720件)である。
無関係投稿を除外した約2万件のうち、東京からは4,710件(24%)が投稿され、沖縄からの投稿の約2倍以上を占めた。
発信地別投稿状況
全体の約25%を占める東京からの投稿は、除外後も24%を維持し、県外発信が最も多い。
この中で「極左暴力集団」という表現を含む玉城デニー知事への批判が多数見られた。
沖縄からの発信は全体の17%にとどまり、地元発の投稿はリツイートを含めても全体の6.8%である(瀬川至朗教授の調査)。
大阪からの投稿は全体の8%で、沖縄発に比べて多数を占めた。
2023年3月の高校生死亡船舶転覆事故に関する投稿でも、東京・大阪発が沖縄発を大幅に上回った。
候補者別批判と誤情報
現職知事の玉城デニーに対する批判投稿は圧倒的に多く、「極左暴力集団」への言及が多数あった。
2026年8月に自民党県議が「玉城氏は極左暴力集団が全部支えている」と発言し、後に撤回・謝罪要求がなされた。
玉城氏陣営は「一つずつ打ち消してもキリがない」とコメントし、対応に苦慮した。
新人候補の古謝玄太に対しては、偽ポスター画像(「国益にかなう沖縄をつくる」)がSNSで拡散された。
古謝玄太陣営は「早期の火消しが大事だ」とコメントし、誤情報対策を強調した。
他の新人候補(兼島俊、末吉正弘、比嘉隆、屋良朝助)は直接的なSNS批判は少ないが、全候補者に対して公職選挙法違反指摘が過熱した。
選挙告示前に「玉城氏が米軍普天間飛行場の辺野古移設を決定した張本人である」という虚偽情報が拡散された。
学術的指摘
山口真一教授(国際大学・社会情報学)は、首長選が支持・不支持の二択に単純化しやすく、SNSと相性が良いと指摘した。
地域事情を踏まえない情報が対立を煽り、候補者が誤情報対応に追われることで政策議論が阻害される危険性を警告した。
瀬川至朗教授(東京大学)は、2018年知事選でも県外発信が多数で、沖縄内発信は全体の14%、リツイート含むと6.8%にとどまったと報告した。
大都市からの偽情報が選挙結果に影響を与える可能性があることを指摘した。
過去・他選挙事例
- 沖縄県知事選(2022年・2018年)でも、県外からのSNS投稿が大量で偽・誤情報が問題化した。
- 埼玉県川口市長選(2024年)では、東京・神奈川からの投稿が多数で、地元以外が議論を主導した。
- 2023年3月の高校生死亡船舶転覆事故に関しても、東京・大阪発が沖縄発を大幅に上回った。
印象操作のリスク
発信地別の不均衡により、東京からの投稿が沖縄の2倍以上となり、選挙議論が地方実情と乖離した。
デマが候補者評価を揺さぶり、個別に打ち消すだけでは追いつかない。
SNSは二択構造と情報過剰・拡散を助長し、政策議論が埋もれるリスクが顕在化した。
県外からの大量発信が有権者判断をゆがめ、選挙結果に実質的な影響を与える可能性が高いことが指摘された。
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