2026/08/30

米F‑16三沢配備問題、イラン外相が日本に説明求む


アラグチ外相の声明と米軍F‑16への批判

2024年5月29日、共同通信の取材でイラン外務大臣アッバース・アラグチーは、米軍三沢基地のF‑16が中東へ展開された報道を受け「平和を愛する日本の人たちは米国の犯罪について日本政府に説明責任を問うべきだ」と述べた。

同外相は、基地は防衛目的ではなく攻撃的政策に利用されていると指摘した。

2026年8月29日のインタビューでも同様の主張を繰り返し、米国との外交的取り組み再開は「不可能ではない」とした上で、Xに「米国が『圧力は通用しない』という単純な事実を理解するかが進展にかかっている」と投稿し、信頼構築と約束遵守を求めた。

在日米軍三沢基地のF‑16配備と中東派遣

三沢基地は青森県三沢市にあり、米軍がF‑16戦闘機を配備している。

2024年5月の報道では、F‑16が対イラン作戦目的で中東へ展開されたと伝えられた。

2026年3月と4月に、同機が実際に中東へ派遣されたことがUK Defense Journalで報じられた。

同作戦には沖縄の海兵隊部隊が一時的に関与し、戦力が転用されたことが判明している。

アラグチ外相の経歴と主な実績

アッバース・アラグチーは1962年12月5日生まれで、2024年8月21日に国会信任投票(247票/288票)によりイラン外務大臣に就任した。

1989年に外務省へ入省し、1996年に英国ケント大学で政治学博士号を取得した。

1999年から2003年までフィンランド駐在大使、2007年から2011年まで駐日大使を務めた。

2008年3月27日の東京記者会見で横浜国立大学の学生が無事であると発表し、同学生は6月14日に解放された。

2011年3月24日、伊丹外務大臣政務官を表敬訪問し、伊朗の緊急援助物資目録を手渡した。

2017年から2021年まで政治担当外務次官を務め、P5+1核協議ではイラン側の首席交渉官を務めた。

2008年5月21日に広島で原爆ドーム等を訪れ核兵器廃絶を訴え、2022年春に日本の旭日重光章を受章した。

2024年10月に著書『イランと日本 駐日イラン大使の回顧録2008‑2011』を出版し、米国とは2回交渉したがいずれも途中で攻撃されたと主張した。

ホルムズ海峡情勢と日本へのエネルギー影響

2026年2月28日、米国とイスラエルがイランへの攻撃を開始し、ホルムズ海峡は事実上封鎖された。

同外相は2026年4月17日にSNSで海峡開放を発表したが、翌日イスラム革命防衛隊が封鎖継続を表明した。

2026年3月20日の共同通信インタビューで「伊朗は海峡を封鎖しておらず、敵船舶に対してのみ封鎖」と説明し、パキスタン、インド、トルコの船舶が協議の上で通過したと報告した。

日本の原油輸入は約90%が中東産であり、うち約70%がホルムズ海峡経由、LNG在庫は約3週間分とされている。

日本外務省はイラン側との直接交渉が最も効果的であり、米国を刺激しない配慮が必要とした。日本船舶だけの通過でもエネルギー価格の高騰は解消しないという見解も示された。

その他の国際動向

  • 2025年6月13日、イスラエルが「ライジング・ライオン作戦」を開始し、イランへ直接攻撃を行った。
  • 2026年2月26日、オマーンでジュネーブにてイラン・米国の核開発計画協議が実施された。
  • 2026年2月28日、オマーンが米イスラエルの偽旗作戦であると非難した。
  • 2026年2月27日、カタール外務省がテヘラン会合で米国協議再開に向けた「適切な条件」整備が焦点であると表明した。
  • 2026年2月24日、パキスタン政府がテヘランへ代表団を派遣した。
  • 2026年3月9日と17日、日本外相茂木がアラグチ外相と電話会談し、湾岸諸国の民間施設攻撃停止を要請した。

日伊関係の歴史的背景

2019年6月、安倍晋三首相がテヘランを訪問し、イラン革命以降40年ぶりの首脳会談を実施した。6月12日にイラン大統領ハシム・ロウハニと、6月13日に最高指導者アリ・ハメネイと会談した。