2026/08/30

中国海警・調査船の激増、台湾周辺の安全保障危機


中国船舶の活動増加

2024年7月に台湾周辺で確認された中国船は244隻で、過去最多となった。6月は55隻、5月は30隻であり、1日平均約8隻が展開された。

8月21日までの累計は152隻で、確認された船の約60%が海警局船、残りは調査船または公船である。なお、これらの数字には中国軍艦は含まれない。

台湾側の監視と警戒

台湾海岸巡防署は、2024年7月に展開された中国海警局船・科学調査船の総数が過去最大であると報告した。2024年5月以降の累計確認船舶は1,247隻である。

中国は120隻以上の海洋調査船を保有し、うち41隻が台湾周辺で活動中と監視されている。

2026年7月8日、金門南方海域で中国海警局船付近を台湾巡視船が通過した写真が提供された。

日本も台湾と同様に中国艦船・調査船の動向を継続的に監視している。

中国の主張と法執行行動

中国政府・海警局は「台湾は自国領土の一部」「武力併合も排除しない」と主張し、2024年7月に海警局船と科学調査船を合わせて100隻超で大量展開した。

2024年6月に台湾東側海域で初の法執行パトロールを実施し、2024年8月の台風13号接近時には台湾海峡で交通規制措置を発表した。

海洋調査船と装備

  • 同済:海底調査・試料採取に使用され、対潜水艦戦データベース構築に使用されると評価されている。
  • 向陽紅03:台湾・日本EEZ内で海溝・海底通信ケーブル上を航行し、海警局船と海上民兵偽装漁船が護衛した。
  • 調査船は民間研究機関が所有・運用し、収集データは人民解放軍へ共有されている。

米海軍大学校の分析

米海軍大学校・ライアン・D・マーティンソンの分析では、調査船が収集した海洋・海底データは有事に対潜水艦戦で極めて有用であると結論付けられている。

特に最近数か月で、台湾東側海域における調査船活動が大幅に増加し、前例のない規模に達している。

国際的評価と戦術

専門家・政府高官は、中国が「グレーゾーン戦術」や「サラミ戦術」を用いて段階的に圧力を強めていると指摘した。

同様の海警局船・調査船の派遣は南シナ海でも行われ、領有権主張の手段として機能している。

潜水艦戦への備えと将来シナリオ

専門家は、中国が将来的な潜水艦戦を見据えて海域・海底地形情報の収集を加速していると分析した。

調査船と海警局船の連携(例:向陽紅03の護衛)は情報収集と海上支配力の強化を同時に実現している。

対潜水艦戦用データベースの構築が進むと、中国海軍は海底情報を取得できる。

継続的な船舶増加と法執行パトロールは、台湾と日本の海上防衛負担を増大させ、地域安全保障の緊張を高める。

国際社会の監視や外交圧力が不十分な場合、グレーゾーン戦術のエスカレーションが続く可能性が指摘されている。