放送概要
2024年4月5日(日)にテレビ朝日系列・KBC九州朝日で、126分(18:50〜20:56)の特別番組が放送された。
本番組は狭小空間の工夫や建築の裏側に迫ることを目的として制作された。
出演者は有田哲平、上田晋也、えなりかずき、八木亜希子、猪狩蒼弥、井桁弘恵、沢村一樹、中村アン、ふくらP(QuizKnock)、弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)の計10名である。
福岡県飯塚市の極細物件
敷地面積は10坪で、短辺幅が80.5cm、長辺幅が256.5cm、合計幅は約3.37mになる。
物件はJR飯塚駅のすぐ近くに位置し、炭鉱街としての歴史的繁栄と「細い場所でも繁盛できる」期待から建設されたという説がある。
他地域の極細物件(比較対象)
福岡物件と比較するために、以下の極細物件が調査された。
- 東京・代々木駅付近:短辺幅50cm、長辺幅323cm、合計幅約3.73m。バー面積は4坪で、先端部にトイレが設置されている。
- 東京都練馬区三角ビル:短辺幅55cm、長辺幅307cm、合計幅約3.62m。
- 大阪府新石切ビル:短辺幅37.5cm、長辺幅235cm、合計幅約2.73m。近鉄東大阪線開業による道路拡張で立ち退きされ、極細形状となった。番組調査により日本最狭物件と判定された。
- 神奈川県小田原市のビルと東京都大田区のマンションは、幅が福岡物件より広く、日本最狭物件には該当しなかった。
これらの比較対象を踏まえて、調査は専門家チームが中心となって実施された。
専門家チーム
日本一細い物件の調査・比較検証は、有名一級建築士や不動産コンサルタント等5名からなる専門家チームが担当した。
専門家チームの調査結果を基に、福岡県全体の狭小住宅の規模と分布が明らかになった。
福岡県における狭小住宅の規模と分布
福岡県内で敷地面積が15坪以下の住宅は6,300戸存在する。
全国で狭小住宅数が多い都道府県のうち、福岡県は10番目に位置する。
市街化区域の最低敷地規模は165㎡、市街化調整区域は200㎡である。
各都市計画区域では容積率・建蔽率・道路斜線制限等が設定されている。
狭小住宅に用いられる設計手法
- 光・風の導入:螺旋階段、壁面・階段上部の窓、吹き抜け、大開口、天窓などで採光・通風を確保。
- 空間の多層化:ロフト、スキップフロア、スキップ階段で上下の機能を分離。
- 収納の工夫:壁面収納、階段下収納、土間収納、ウォークインクローゼット等で有効活用。
- 外構・半屋外:ウッドデッキ、バルコニー、屋上スペースで居住空間を拡張。
- 素材・性能:高断熱・高気密、太陽光発電、無垢材や木材などの自然素材を活かした省エネ設計。
課題と展望
狭小住宅の設計手法には多くの工夫があるが、同時に以下の課題が顕在化している。
- 限られた敷地での資材搬入回数が増加し、道路使用許可や交通誘導費用が必要になる。
- 狭小空間での動線確保が難しく、設計上の導線衝突リスクが生じやすい。
- 税負担は低いものの、固定資産税・都市計画税の評価基準が変動しやすい。
土地価格上昇と都市部の住宅密集化に伴い、狭小住宅の需要は増加する見通しである。
全国規模での未踏的知見の調査が、今後の狭小住宅設計や政策立案に新たなインサイトを提供する可能性がある。
福岡県の事例は、炭鉱街の歴史的背景を活かした再活性化のヒントとして、他地域の狭小住宅開発のモデルケースとなり得る。
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