2026/08/23

国宝仏足石に謎の液体散布、台湾人容疑者逮捕


薬師寺国宝「仏足石」への液体散布事件の概要

2024年(2026年)4月6日午後1時20分頃、奈良県薬師寺の国宝「仏足石」に無色透明のグリセリン様液体がかけられた痕跡が確認された。痕跡は直径約1〜2センチのシミが4か所で、寺院職員が4月12日に発見し、翌日の4月13日に奈良県警へ通報された。仏足石は釈迦の足跡を彫ったとされ、紀元753年製の国内最古現存仏足石である。

時系列と捜査経過

  • 2024年(2026年)4月6日:液体散布の痕跡が発覚
  • 2024年(2026年)4月12日:寺院職員がシミを発見
  • 2024年(2026年)4月13日:警察へ通報
  • 2024年(2026年)4月中旬:防犯カメラ映像の解析開始
  • 2024年(2026年)4月7日:容疑者が台湾へ渡航
  • 2024年4月22日(2026年8月22日):関西空港で再入国時に逮捕(約4か月半の捜査期間)

容疑者の情報

容疑者は台湾出身の39歳、ツァイ・イージェン(蔡宜臻)である。自称司会業者とし、「感動したものに油をかけて祈祷する」という信念を語り、液体散布を認めた。

捜査と証拠

奈良県警は防犯カメラ映像を解析し、ツァイ容疑者が仏足石に液体をかける様子を確認した。この映像が逮捕の根拠となった。液体の成分分析の結果、無色透明のグリセリン(アルコール系)であることが判明した。無臭・無色であったため、職員は直ちに気付かなかった。

法的評価

本件は文化財保護法違反として取り扱われる。国宝や重要文化財への損壊は、最高5年以下の懲役または100万円以下の罰金が規定されている。比較として、一般の器物損壊罪は最高3年以下の懲役または30万円以下の罰金である。

過去の類似事例

2015年から2017年にかけて全国で油様液体の散布が報告され、16都府県48箇所で同様の被害が発生した。代表的な被告は63歳の医師で、2015年に被害を行い、2026年3月に日本へ移送された後、2026年8月6日に懲役1年6か月(執行猶予3年)で判決が下された。今回の女性容疑者の逮捕は、同男性判決から16日後に実施された。

文化財保護への課題

無色透明液体の検知が困難であることが本件で課題として浮上した。防犯カメラ映像と液体成分分析が証拠として確認されたことが、今後の対策検討の材料となる。