2026/08/23

レバノン、死刑廃止で無期労働刑へ転換 歴史的一歩


死刑廃止法案の可決

2026年8月11日、レバノン国民議会は死刑廃止法案を多数決で可決した。

同様の法案は2024年8月11日にも可決されていた。

死刑制度の背景

2004年以降、レバノンでは実質的に死刑執行が停止され、約22年間にわたって執行は行われていない。

しかし死刑判決は継続して言い渡され、2026年8月10日に最後の死刑判決が出された。

適用対象は殺人罪、国家反逆罪、テロ、スパイ行為などの重大犯罪である。

アムネスティ・インターナショナルは2026年1月時点で、少なくとも85人の死刑確定者が収容されていると確認している。

廃止法案の内容

法案は死刑制度を完全に廃止し、今後死刑判決を言い渡すことを制度上不可能にした。

既存の死刑判決はすべて重労働付き無期懲役(無期拷問)へ移行した。

無期懲役は最高刑となり、重労働が付随する。

新制度:重労働付き無期懲役

従来死刑対象だった重大犯罪に対し、重労働付き無期懲役が適用される。

死刑が言い渡せなくなることで、執行停止の状態が法的に終止符を打った。

国内的影響

死刑制度が国際的な容疑者引き渡しの障害であった点が解消された。

この変更により、国内の人権政策が大幅に転換した。

地域的・国際的展望

サウジアラビアやイランなど、死刑が依然として適用されている中東諸国に対し、レバノンの選択は刑罰政策と人権保障の議論に影響を与える可能性がある。

死刑廃止が他国の法改正や国際司法協力に波及する懸念と期待がある。

国内外の反応

  • アデル・ナサール法相は本決定を「歴史的」と位置付け、死刑が国際的な容疑者引き渡しの障害であったと指摘した。
  • 欧州連合はレバノンの死刑廃止と無期懲役への移行を歓迎した。
  • アムネスティ・インターナショナルは85人の死刑確定者が収容されている実態を指摘し、廃止を評価した。
  • 中東諸国はレバノンの動きを注目している。
  • 人権団体や法学者は、地域全体の刑罰改革への刺激として期待の声を上げている。