2026/08/23

ブレーキ熱70℃削減!D1_BRAKE冷却ファン


D1_BRAKE Motor Fan Overview

D1_BRAKE は車両のブレーキシステムに組み込まれるモーターファンで、走行時にブレーキ部品を冷却し、安全性を向上させる。

Brake Cooling Backplate

純正バックプレートを型取りし、スチール製・つや消しブラック塗装のバックプレートは 17 インチおよび 16 インチブレーキローターに対応する。

裏側に導風口を設け、バンパー側からダクトでフレッシュエアをローターへ直接供給する構造である。

開発テストにおいて、ブレーキ温度が約 70 °C 低下することが確認された。

Related Technologies

EThermo 株式会社(TAITherm)はブレーキの 3 次元過渡解析ソリューションを提供し、市場想定ドライブサイクル下でブレーキ単体性能と車載実車性能をシミュレーションで予測できる。

MinebeaMitsumi のファン製品は以下のラインアップを含む。

  • DC ファンモーター:直流駆動、ボールベアリング/スリーブベアリング、IP 対応、軸流型など多彩。
  • EC ファン EMU/EMR シリーズ:ブラシレス、低消費電力・長寿命、可変速・アラーム機能搭載。
  • プロペラファン(AC/DC)、ブロワ(AC/DC)、クロスフローファン(AC/DC):換気、冷却、制御盤等に最適化。

MAF-D1(シロッコファン)は低圧送風(98〜600 Pa)に対応し、サイズ最小、低騒音、静圧曲線が緩やかで、0〜40 °C の空気に対応する。

これらの技術はブレーキの熱管理に直接貢献し、次節で示すブレーキ冷却の重要性を支える。

Brake Cooling Importance

ブレーキ制動時に車の運動エネルギーが熱に変換し、瞬時に 10⁵ W 以上の熱量が発生する。

発熱量は車速、車重、勾配、空気抵抗により決定される(エネルギー保存則)。

Design Parameters and Cooling Constant

ブレーキの熱容量と冷却効率は設計者が変更可能である。

冷却定数 θ は以下の式で評価される。

θ = A·HTC / (M·Cp) = 1/τ

θ が大きいほど熱時定数 τ が小さくなり、常温復帰が早くなる。

冷却定数は実測またはシミュレーションにより、ブレーキ温度変化履歴から算出される。

熱収支は式 M·Cp·dT/dt = –A·HTC·(T – Ta) + q̇ で表される。

Market Situation and Competition

純正バックプレートはスチール製の簡易構造で保護目的のみであり、クーリング機能は備えていない。

86/BRZ のレース用ワンメイク車両はブレーキにクーリング機能を装備していることがメーカーに認識されている。

Pricing and Installation

プロジェクト・ミュー開発のブレーキクーリングバックプレートの販売価格は 29,000 円である。

取り付けに必要なダクト・ファンネルは別途用意し、加工・工賃は約 18,000 円、総費用は約 60,000 円になる。

GRガレージ豊田土橋店が加工方法、部品、価格情報を提供し、作業時間は約 2 時間である。

Customer Needs

サーキット走行時のブレーキ過熱対策として、走行風とダクト利用が最も効果的と認識されている。

タイヤ、パッド、ローターの過熱による摩耗、クラック、フェードの防止が顧客の主要関心である。

Challenges and Development Direction

制動中は冷却定数 θ を小さくし熱時定数 τ を大きくしたい(冷却抑制)という要求がある。

高 θ(大冷却)を実現するには、ファン・ダクト設計の最適化と熱抵抗 R = 1/(A·HTC) の低減が必要である。

ブレーキ過熱リスクは温度超過によりパッドが炭化し、ローターにショートクラック、ヒートスポット、ジャダーが発生する。

冷却対策は以下の 3 パターンに大別される。

  • 部品耐熱:高温耐性パッド、焼入れローター。
  • 熱蓄積防止:ブレーキ大径化、2 ピースローター、カービングベンチローター。
  • 走行風冷却:フロントダクト、フロア下空気、クーリングラップ。

D1_BRAKE のモーターファンを既存のブレーキクーリングバックプレートと統合し、空力的に最適化されたダクト設計を実装する方向性が示されている。

EThermo のシミュレーションで θ と τ の最適バランスを評価する。評価結果はレース車両と市販車両双方への適用拡大に活用される。

IP 対応・低騒音の DC/EC ファン技術を組み込むことで、車載電源(12 V/24 V)での高効率冷却を実現する方針が示されている。

Market Expansion Outlook

86/BRZ などのスポーツカーのレース需要に加え、一般公道車でもブレーキ過熱対策が法規上求められる可能性が高まっている。

価格帯と取り付け工数を踏まえ、チューニングショップやディーラーでの標準オプション化が期待される。