2026/08/23

おせちの起源と縁起食:海老・ぶり・紅白なますの秘密


おせち料理の起源と三段重の構成

おせち料理は平安時代宮中の「御節供」(節日の祝宴)が起源である。

語源は「節」に由来し、漢字表記は「御節」になる。

三段重の重箱は、一の重が祝い肴、二の重が焼き物・酢の物、三の重が煮物で構成される。

重箱に詰める慣習は近畿・東海地方が起源で、昭和中頃にデパートや料亭が販売し、雑誌紹介で全国に広まった。

海老の縁起と使用上の留意点

海老は長いひげと曲がった腰が長寿を象徴し、腰が曲がるまで長生きすると解釈される。

目が外に出ていることから「目出たい(めでたい)」と結びつき、めでたさを表す。

脱皮は若返り・不老・成長・立身出世・新たな始まりを意味する。

加熱により赤白の模様になることが祝宴に適しためでたさの象徴となる。

赤色は古代から魔除けとされ、跳ね上がる力と硬い殻は戦国時代の武将の祝い膳に使用された。

使用できる種類は車えび、伊勢えび、ぼたんえび、ブラックタイガー、バナメイえび、赤えび、甘えび、桜えび、芝えび等で、頭の有無は問わない。頭付きは「目出たい」を強調し、頭なしでも紅白で使用できる。

甲殻類アレルギーの人はえびなしのおせちを選択できる。

ぶりの象徴と調理例

ぶりは出世魚として立身出世・仕事での成功・昇進を願う象徴である。

照り焼きの光沢は光り輝く未来、金運上昇、健康を象徴する。

関東ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ、関西ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリと呼称が変遷した。

平安時代宮廷で高級魚として扱われ、江戸時代の文献でも鯛と並び正月の魚として記載される。瀬戸内海は古くから好漁場で、京都宮廷でも高級魚とされた。

購入時期は12月中旬以降で、特に28〜31日に新鮮なぶりが流通する。

石川県の郷土料理「ぶりなます」は、源平なますにブリを加え、現代は塩締めしたブリを使用する。

紅白なますの起源・作り方・保存

起源は古代中国の「膾(なます)」で、平安時代に野菜と酢を加えて日本風にアレンジされた。江戸時代に正月定番として定着した。

現代の形は大根と人参を千切りし、酢・砂糖・塩で和える。黄金比率は大根5に対し人参1である。

切り方は長さ5〜6 cm、幅2〜3 mmが目安とされる。

紅白の色は水引に見立てられ、一家の平和・平安を願う。人参(紅)は太陽・喜び・生命力・魔除け、大根(白)は清浄・邪気除け・魔除けを象徴する。

バリエーションとして五色なます、ぬた、精進なますがある。

調理手順は以下の通りである。

  • 大根約300 g(1/4本)と人参約50 g(1/2本)を千切りにし、塩もみ10分後に水気を絞る。
  • 酢大さじ2、砂糖大さじ1、塩小さじ1/2で和え、最後にゆず皮(薄く削ぎ)と果汁大さじ1を加える。

所要時間は置く時間を除き約15分である。

保存は冷蔵で密閉容器またはジッパー袋に入れ約1週間、冷凍は小分けにして空気抜きし約1ヶ月保存でき、自然解凍が推奨される(常温・電子レンジはNG)。

その他代表的食材と意味

  • 黒豆:健康長寿・魔除け。関東はシワが寄るように煮て「顔にシワが寄るまで長生き」、関西はシワが寄らないように煮て「シワが寄らず元気で長生き」。
  • 数の子:子孫繁栄・子宝。親魚(ニシン)の語呂合わせ「二親」から、両親が健在で子宝と解釈される。
  • 田作り:五穀豊穣の祈願。江戸時代にカタクチイワシを田んぼの肥料にした実話が名前の由来で、別名は「五万米」。
  • 栗きんとん:金運上昇・商売繁盛・豊かな生活を象徴する。
  • 伊達巻:学業成就・文化繁栄・華やかで豊かな生活を願う。語源は伊達政宗の派手な軍勢。
  • 焼き魚(タイ):見た目の美しさと「めでたい」語呂合わせで一年のめでたさを願う。
  • 昆布巻き:昆布の「こぶ」=「喜ぶ」から一年中喜びがあふれる。「養老昆布」=不老長寿。「子生」=子孫繁栄。
  • 煮はまぐり:同じはまぐりの貝殻で合わせることで夫婦円満を願う。
  • ごぼう:根が深く張ることで家族が土地に根付く安泰を願う。関西では「祝い肴三種」の一つ。
  • 煮しめ:蓮根は空洞が将来の見通しの良さ、里芋は親芋から小芋が増えることで子孫繁栄、ごぼうは深根で家の土台安定、手綱こんにゃくは結び目で縁結び・心を律する、亀甲椎茸は形が亀の甲羅で長寿を象徴する。

調理例:紅白なますとぶりの照り焼き

紅白なます(4人分)の材料は大根約300 g(1/4本)、人参約50 g(1/2本)、ゆず1個(皮は薄く削ぎ、果汁大さじ1)、酢大さじ2、砂糖大さじ1、塩小さじ1/2である。

手順は千切り→塩もみ10分→水気を絞る→酢・砂糖・塩で和える→ゆず皮と果汁を加える。

ぶりの照り焼きの材料はぶり切り身4切れ(約2 cm厚)、醤油大さじ3、みりん大さじ3、酒大さじ2、砂糖大さじ1、生姜薄切り1片である。

手順はぶりに塩を振り15分置く→水分を拭き取る→フライパンで中火で両面をじっくり焼く→調味料で作ったタレを絡めて照りを出す。

ぶりは購入後、氷を敷いた容器で冷蔵し、軽く塩を振って水分を出すと鮮度が保持できる。

市場価格の一例

美食サークルの「個包装おせち 16品セット」の価格は2026年8月22日調査時点で¥11,900である。