高市政権の経済政策と市場への影響
高市政権は積極財政を推進し、2026年7月に「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針)」を公表しました。具体的な施策として、ガソリン補助金の延長や、食品税率を2年間1%へ引き下げる消費減税を掲げています。片山財務相は、これらは骨太の方針に基づくものであるため、リフレ政策とは異なると認識しています。
市場では、骨太方針の公表後に日本の10年物国債金利が2.9%まで上昇しました。また、日本の円安と金利上昇が波及し、2026年7月31日には米30年債金利が20年ぶりの高水準となる5.29%へ上昇しました。
米国の対応とベッセント財務長官の主張
米国は、円安是正により日本投資家の米国債購入余力を高め、自国の長期金利上昇を抑制することを目的として、2026年8月1日にドル売り・円買いの日米協調介入を実施しました。
こうした状況の中、スコット・ベッセント米財務長官は、G20閉幕後の記者会見にて、日本に「リフレ政策をやめるべきだ」と明言しました。ベッセント氏は、アベノミクス時代のリフレ政策は「大きな成功を収めた」と評価していますが、現状の「タカイチノミクス」においては路線転換が必要だと判断しています。
また、ベッセント氏は円の過小評価に対処し、断固たる市場・金融政策措置を講じることを支持しています。日銀の植田総裁に適切な余地があれば優れた政策が可能であると確信している一方で、高市政権が日銀に利上げをさせないよう圧力をかけているとの認識を示しています。
行動履歴として、ベッセント氏は2026年8月30日に植田日銀総裁と会談しました。その後9月1日に会談内容を公表し、X(旧Twitter)でも金融政策正常化について議論した旨を投稿しています。
日米間における認識の齟齬と論点
片山さつき財務大臣は、2026年9月3日、リフレ政策の中止について米国側から「特に注文はない」と述べ、ベッセント氏の主張を否定しました。あわせて、日銀の独立性について問いただされたとするNYタイムズの報道についても否定しています。
また片山大臣は、アベノミクスでデフレ脱却したため、新「タカイチノミクス」の予算制度改革や成長戦略に期待が寄せられているとの認識を示しています。
このように、日米間では以下の点について主張が食い違っています。
- 米財務長官は「リフレ停止を伝えた」とし、片山財務相は「言われたことはない」としている。
- 日本政府による日銀への政治的圧力の有無。
- 「タカイチノミクス」をリフレ政策の継続と見るか、新たな成長戦略と見るか。
市場では、ベッセント氏の言動により、米国が日本銀行に利上げを促しているとの見方が拡大しています。
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