2026/09/04

【メタノール中毒事件】夫が失明も妻に無罪判決、証拠不足か


事件の概要と使用された物質

2023年9月21日から23日ごろ、滋賀県栗東市の自宅において、夫(37歳)がメタノール中毒により、回復の見込みがない視力障害を負いました。この事件で傷害罪に問われた被告の森崎愛美(36歳・滋賀県湖南市)に対し、大津地裁は無罪判決を言い渡しました。

本件で使用されたメタノールは、毒劇物法で「劇物」に指定されている無色透明の液体です。人体に有害であり、摂取すると失明する恐れがあります。本件では「燃料用アルコール」として薬局で購入されていました。

公判における検察側と弁護側の主張

検察側は、被告が事件前に燃料用アルコールを購入しており、第三者が飲ませる機会はなかったと主張しました。また、事件前月から夫がビールなどの味に異常を感じ、おう吐などの症状があったことを指摘し、懲役9年を求刑しました。

一方、被告および弁護側は、メタノールを飲ませた事実はなく、犯行を裏付ける客観的な証拠が存在しないとして起訴内容を否認し、無罪を主張しました。あわせて、夫が自殺目的で自らメタノールを摂取した可能性を主張しました。

判決理由と今後の対応

2026年9月3日、大津地裁の徳井隆一裁判官は、以下の理由から無罪を言い渡しました。

  • 犯人性を直接認定できる証拠が不足していること。
  • 被告が摂取させた可能性は「相応に高い」と言えるが、確実な証明には至っていないこと。
  • 夫を追い詰める妻の言動があったことから、夫が自殺目的で経口摂取した可能性を排斥できないこと。

大津地検の萩原良典次席検事は、判決内容を精査し、適切に対応する意向を表明しています。