スシローの国内実績と海外拡大方針
スシローは日本で1984年に創業し、回転すし業界で14年連続の売上高第1位を維持している。
2026年4月末時点で、世界に948店舗を展開し、10か国・地域で営業している。
中期経営計画では、海外事業の売上比率を35%に拡大することを最重要課題とし、「中華圏」「東アジア・東南アジア」「北米他市場」への出店を加速させる方針を示している。
米国ニューヨークでの初出店計画
米国におけるスシロー出店の運営主体はFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)である。
F&LCは2025年5月8日にニューヨーク・タイムズスクエアでの開店を発表し、2026年8月31日に現地でメディア向け説明会を開催した。
スシロー米国1号店は2026年10月に開店予定で、所在地はタイムズスクエア近辺(8th Avenue & 42nd Street)である。
店舗は地下1階、1階、2階の計3フロアで構成され、1階と2階に約150席の回転すしエリアを設け、地下1階に和風個室テーブル席を配置する。
メニューと価格設定
基本価格は1皿5ドル(約800円)から提供される。
- マグロ2貫 5ドル
- 本マグロ大トロ 10ドル
- えびWチーズロール 14ドル
- 米国限定ハンドロール/まぐろロール 各14ドル
メニュー総数は約100種以上で、すし・サイド・デザート・ドリンクを含む。
注文・サービスシステム
注文は大型ディスプレイを用いたデジタルモニター方式で行う。
テーブル席が多数配置され、和風個室も併設されている。
チップの支払いは不要とする方針が採られている。
ニューヨークの外食市場と競合状況
和食ブームは継続しているが、物価上昇と人件費高騰が顕著である。
本格寿司店の平均単価は1人当たり100~200ドルである。
スシローは手軽に本格的な日本のすしを提供できる価格帯で差別化を狙っている。
同地区の回転寿司市場では、くら寿司やKaiten Zushiなどのコンベアベルト寿司チェーンが人気上昇中である。
業界関係者はスシローの米国進出に成長ポテンシャルがあると評価し、SNS上では期待の声と価格への懸念が同時に多数投稿されている。
成長見通しと課題
米国専用メニューと低価格設定は現地市場への適応戦略として位置付けられている。
この戦略が実現すれば、北米市場への更なる出店が見込まれる。
タイムズスクエア出店は世界的な認知度向上と北米市場へのブランド浸透が期待される拠点である。
今後の課題は次の三点に集約される。
- 高騰する物価・人件費へのコスト管理
- 既存の回転寿司チェーンとの競争激化に対する差別化策の維持
- アジア中心の海外戦略から北米へシフトする組織体制・サプライチェーンの最適化