兵士募集と金銭インセンティブ
ロシア政府は兵力計409,000人の募集目標を設定し、地方政府にノルマを通達した。
目標は2023年と2024年に再掲され、2026年8月24日を侵略開始から4年半と位置付けた。
新規兵士を紹介した者には1人あたり100,000ルーブル(約185,700円)の手当が支給される。
紹介された本人には別枠で契約金が支払われる。
大統領令第644号(2024‑07‑31)は、契約兵に一律400,000ルーブル(約760,000円)を支給すると定めた。
地方自治体が上乗せし、総額上限は4.5百万ルーブル(約860万円)とされた。
財政・経済指標
2026年1‑7月の歳入は22.112兆ルーブルで前年比+8.8%増加した。
同期間の歳出は28.567兆ルーブルで前年比+14.5%増加した。
この結果、財政赤字は6.455兆ルーブルとなり、通年計画の約1.7倍に達した。
2026年度通年予算は歳入40.283兆ルーブル、歳出44.07兆ルーブル、赤字3.786兆ルーブル(GDP比1.6%)である。
石油・ガス収入は4.595兆ルーブルで前年から16.8%減少し、総歳入の約20.8%を占めた。
非石油・ガス収入は17.518兆ルーブルに増加し、付加価値税収入は9.791兆ルーブルで24.9%増加した。
2025年の平均月収は約100,000ルーブル(約190,000円)である。
契約一時金4.5百万ルーブルは平均月収の約45倍に相当する。
ロシア中央銀行は2024年10月に政策金利を最高21%に設定し、2026年7月に14%に低下させた。
2026年のインフレ率は約5.9%で、中央銀行は6‑7%に上方修正した。
2026年6月時点で無担保個人ローン延滞残高は1.7兆ルーブルで、過去最大である。
戦闘損耗と人員動向
2023‑2024年の月間死傷者数は30,000‑34,000人である。
CSISの2026年7月報告は、月間死傷者が30,000人を超え、同月の新規採用約27,000人を上回る可能性があると指摘した。
侵略開始から2026年6月までの総死傷者は約1.4百万で、死亡者は40‑45万人に上る。
月間で約6,000人の兵力が純減し、1日約1,000人の補充が必要である。
契約兵の死亡補償は1件あたり約14.5百万ルーブルである。
死亡件数40万件に対する総補償額は約5.6兆ルーブルになる。
2026年7月下旬の大統領令は、軍人定員を1,535,000人に増員した。
この増員により総兵数は2,426,130人となり、約25,000人の増員である。
ISWは2026年に戦略的制約が顕在化したと警告した。
CSISは2025年の月平均死傷者数を35,000人と予測した。
法令・政策
大統領令第644号は、契約兵に一律400,000ルーブル(約760,000円)を支給することを定めた。
2026年5月に導入された債務免除制度は、契約兵と配偶者の最大10,000,000ルーブル(約1,900万円)の債務を免除する。
対象は住宅ローンや自動車ローンなどで、税金や公共料金は除外された。
プーチン大統領は2026年5月に、上記制度に基づく債務免除を発表した。
2026年7月の大統領令は、2026年8月1日発効の軍人定員増員を規定した。
社会・人権問題
メディア報道は、募集担当者が路上で男性を連行し、脅迫・暴行を伴って軍務契約書への署名を強要した事例を指摘した。
高額報酬を利用した囚人や外国人の動員手法に対して、倫理的批判が提示された。
地域別支給額比較
- サンクトペテルブルク市:総上限4.5百万ルーブル(連邦分40万、地方給付350万、企業付加給付60万)。
- ハンティ・マンシ自治管区(ユグラ):総額最大4.1百万ルーブル。
- ダゲスタン共和国:地域給付270万ルーブル、総額3.6‑4.1百万ルーブル。
- サマラ州:2026年2‑5月は約220万ルーブル、8月は約40万ルーブルに約80%減額。
- 全国平均(2026年5月時点):支給額2.74百万ルーブル(約520万円)、前年同期比約40%上昇。