Fund Overview and Capital Gathering
みんなで大家さんは年利約7%の分配金を掲げ、投資単位1口100万円で募集を行った。出資者は3万7000人以上で、総額は2000億円超に達した。主な対象は高齢者などの個人投資家である。
Distribution Suspension and Administrative Actions
2022年7月以降、ほとんどの商品で分配金の支払いが停止した。代表は「一時的な遅延」と説明したが、支払いは継続して止まっていた。
大阪府は債務超過と返還約束未履行を違法状態と判断し、2024年6月に30日間の業務停止命令を出した。2026年9月1日には、純資産不足・同一条項の再違反・支払不能の3点を理由に事業許可を取り消した。
Financial Condition and Debt Overhang
2026年3月期決算では、負債が約2881億円、資産が約390億円であり、純資産は約マイナス2881億円となった。最終赤字は約2984億円、営業損失は約65億円である。
主な減損は土地約2681億円、建物約104億円である。手元現金・預金は約3億1000万円で、出資者が求める返還額約232億円の約1.3%にすぎない。
Investor Claims and Court Rulings
- 約2500人の出資者が平均約928万円(総額約232億円)の返還を求めて訴訟を提起した。
- 1,191人が約114億円、約2,500人が約232億円の全額返還を求める集団訴訟が大阪地裁に提起された。
- 大阪地裁は2026年3月に出資者への全額返還を命じ、同年6月にも複数の判決で出資者側が勝訴した。
Legal Framework and Permit Cancellation
- 不動産特定共同事業法は、純資産を資本金の90%以上に保つことを義務付けている。基準未達は許可取消の対象となる。
- 許可取消と同時に、出資者保護と会社財産の不当使用防止が命じられ、事業は事実上終了した。
Impact on Investors and Protection Measures
- 分配金停止により、出資者は資金回収が困難な状況にある。
- 現金残高は返還要求額の約1.3%にとどまる。
- 2025年9月に結成されたみんなで大家さん被害対策弁護団や複数の弁護士団体が支援を行っている。
- 大阪府と東京都が処分基準・監督基準の共通化を検討している。
Remaining Issues and Future Outlook
- 運営会社は大阪・宗右衛門町、東京・日暮里の開発用地を売却し、債務超過是正を試みているが、現金不足が深刻である。
- 事業終了後も、不動産特定共同事業法上「みなし事業者」として清算業務を継続する義務が残る。
- 国土交通省は同法施行規則改正案を検討し、資産評価に不動産鑑定の活用を促す方針を示している。
- 全額返還の実現可能性は、集団訴訟の裁判判断に依存する。
- 同種ファンドへの投資リスク認識が高まる見込みが指摘されている。