2026/08/27

梅干しの日7月30日─由来・歴史・健康効果完全網羅


梅干しの日の制定と由来

2004年に株式会社東農園(和歌山県みなべ町)が「梅干しの日」を制定し、7月30日を記念日とした。語呂合わせの「7(なん)30(さる)」は「難が去る」を意味し、梅がその日の難逃れという言い伝えに基づく。日本記念日協会に認定・登録された(資料に曖昧さあり)。同日には生サーモンの日やプロレス記念日など他の記念日もある。

梅干しの歴史

中国では約3000年前に青梅を燻製し薬用として使用し、約1500年前に遣隋使が日本へ伝えた。

平安時代の900年代の文献に梅干しに近い形が登場し、948年の村上天皇が梅干しと昆布の茶で疫病から回復したと伝えられる。984年の医心方では梅が「三毒」除去の効能を持つと記述されている。

戦国時代には梅干しが兵糧食として利用され、殺菌・疲労回復効果が評価された。上杉謙信は酒肴として頻繁に摂取し、傷の消毒や食中毒予防、精神安定の薬としても重宝された。

江戸時代に一般家庭へ普及し、節分・大晦日に梅干しにお茶を注いで飲む習慣が定着した。中期にはしそ梅や甘露梅など多様な調味梅が登場し、1697年の『本朝食鑑』に現在に近い製法が記載された。

明治以降はコレラ流行時に有機酸の抗菌作用が予防・治療に利用され、日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦で軍用食需要が増加した。太平洋戦争期には兵士が携行糧食として梅干しを使用した。

製法と規格

伝統的製法は6月に梅を収穫し、約18%の塩と混合して数日間重石で漬け込む。白梅酢が生成された後、7月下旬に土用干しで3日間天日干しし、乾燥後の塩分は約20%前後になる。最終的な塩分濃度は約21.9%である。

1973年のJAS改正により「梅干し」と「調味梅干し」が区分された。日本食品標準成分表(五訂)では梅干しの塩分は22.1%、調味梅干しは7.6%と定義されている。栄養成分(100 g)はエネルギー138 kJ(33 kcal)、炭水化物10.5 g、食塩相当量18.2 g、ナトリウム8700 mgである。

種類

梅干しは「白干し梅(梅干し)」「調味梅干し」「梅漬け」の3種に分類される。調味梅干しの例としてしそ梅、鰹梅、はちみつ梅、昆布梅、黒糖黒酢梅がある。赤紫蘇漬けや関西の「ドブ梅」も含まれる。

栄養成分と健康効果

主成分はクエン酸、梅リグナン、バニリン、植物性乳酸菌、加工された種子のアミグダリンである。クエン酸は疲労回復や乳酸分解、エネルギー代謝促進に寄与し、血液をサラサラに保つ効果や動脈硬化予防、血圧抑制、カルシウム吸収促進の働きがある。

梅リグナンは抗酸化作用と細胞老化防止、バニリンは脂肪燃焼促進、植物性乳酸菌は腸内環境改善と下痢・便秘予防に寄与する。加工によりアミグダリンの青酸配糖体リスクは低減される。

これらの成分により、疲労回復、抗菌・防腐作用、塩分補給による熱中症予防、酸味による唾液分泌増加と消化吸収促進、食欲増進が期待できる。

生産と産業

和歌山県は61年連続で全国梅収穫量1位を保持し、同県産梅は日本全体の約58%(令和7年概算)を占める。みなべ・田辺の梅システムは2015年に世界農業遺産に認定された。

梅の収穫は6月に行われ、同月に塩漬けし、7月に土用干しで新物梅干しが完成する。土用干しは夏の強い日差しと乾燥が最適条件である。

総務省家計調査によると、梅干しへの年間支出は1999年は1897円、2021年は1402円に減少した。

風習・食べ方・縁起

梅干しは食文化だけでなく、各地の風習にも深く根付いている。

申年(12年に一度)に梅を食べると特に縁起が良いとされ、例として2016年、次は2028年が挙げられる。

食べる時間は卯の刻(午前6〜8時)で、その年の恵方を向いて梅干しを摂取する。2026年の恵方は南南東である。

夏バテ防止として梅干しとお茶を毎日併用し、大晦日・節分に梅干しにお茶を注いで飲む習慣がある。

贈答品としては「しわができるまで長く元気に過ごす」願いを込め、健康長寿・敬老・出産・入園入学の祝い品に利用される。

関連文献・資料

  • 斉民要術(6世紀)に梅干し・梅酢の作り方が記載。
  • 懐風藻(751年)最古の漢詩集に梅が登場。
  • 万葉集に梅を題材とした和歌多数(奈良時代)。
  • 医心方(984年)で梅が「三毒」除去と記述。
  • 世俗立要集(鎌倉末期)「梅干ハ僧家ノ肴也」。
  • 本朝食鑑(1697年)に現在に近い製法が掲載。
  • 日本記念日協会が「梅干しの日」を公式に扱う。
  • 文部科学省食品成分データベース:梅干しの食塩相当量18.2 g/100 g。
  • 消費者庁:容器包装食品の栄養表示基準説明。