2026/08/27

AIで3倍膨らんだ韓国株、急落で1兆ドル失われる


韓国株式市場の時価総額変動

AIブームにより、過去1年で韓国株式市場の時価総額は3倍以上に拡大した。

KOSPI上昇で時価総額は約2兆5,000億ドル(約400兆円)増加した。

2026年6月から7月の6週間で時価総額は約40%下落し、同額が失われた。

7月1日~28日の下落率は28.9%で、1997年・2008年の危機を上回る月間下落となった。

上半期にKOSPIは約100%上昇し、史上最高値9,385ポイント(6月19日)を記録した。

7月7日には一時8%超下落し、サーキットブレーカーが発動した。

サムスン電子とSKハイニックスの市場占有率と業績

サムスン電子とSKハイニックスの時価総額は約1兆ドル規模で、KOSPI時価総額の50%以上を占めた。

ロイターは、2026年上半期にKOSPI指数の半分以上が同2銘柄で構成されたと報じた。

サムスンの4~6月期営業利益は前年同期比19倍の記録的水準に達した。

同日、サムスン株価は約7%下落した(7月13日)。

SKハイニックスは7月9日にADR上場応募が7倍超となり、株価は2.5%上昇した。

7月13日にはSKハイニックス株価が約10%下落した。

AI向け半導体・メモリー需要の影響

AI向けメモリー半導体の需要拡大が、サムスンとSKハイニックスの業績期待を押し上げた。

同2銘柄がAI半導体株の牽引役となり、KOSPI上昇を支えた。

個人投資家への影響とレバレッジ取引

KOSPI取引高の60~70%は個人投資家が占めた。

急落により、個人投資家に損失が発生した。

  • 英語教師ユン・ジェイ(30歳)は約1万9,000ドル(約304万円)を失った。
  • 音響エンジニアユン・ギョンミン(44歳)は退職金の半分を投資し、約7,200ドルを損失した。

約1,200,000人がレバレッジ口座で追証対象となり、約35万口座が証券会社により清算された。

5月に個別株レバレッジETFが導入され、投資額を2倍に増やすことが可能となった。

対象株が5%上昇するとETFは10%上昇し、5%下落するとETFは10%下落する二倍効果が生じた。

信用取引残高は38兆6,000億ウォンに達し、過去最高となった。

1日平均取引残高は62兆ウォン(約6.8兆円)に拡大した。

担保維持率割れにより証券会社が強制売却を実施し、追証未入金が下落を加速させた。

市場インフラの対応

7月にKOSPIでサイドカー取引停止が13回、KOSDAQで10回実施された。

同月にサーキットブレーカーが全体で3回作動した。

制度導入以来の総計14回のうち、6回が2026年に集中した。

主要要因の複合的影響

AI・半導体株への資金集中、信用取引・レバレッジ商品の増加、外国人投資家の売却、金利上昇、地政学リスクが同時に顕在化した。

これらが機械的売買(ETF清算、サイドカー)を誘発し、下落を増幅した。

政策・規制の対応

  • 7月16日にレバレッジETFの新規上場が一時停止された。
  • 8月5日から最低預託金が1,000万ウォンから3,000万ウォンへ引き上げられた。
  • 金融委員会がレバレッジETF取引に対し厳格な規則を導入し、ボラティリティ管理の新規則を検討した。

金融リスクと家計への影響

民間債務/GDP比は2023年で207.4%であり、日本バブル期に近い水準である。

変動金利住宅ローンの比率は約39%である。

政策金利が0.25%上昇すると、家計の利払いは約3.2兆ウォン増加すると試算された。

2026年1~3月期の家計信用残高は1,993兆ウォン(約210兆円)で過去最高となった。

将来展望

韓国銀行はAIチップのスーパサイクルは健全と評価し、1990年日本バブル崩壊と類似点を指摘した。

アジア開発銀行は2026年の成長率予測を1.9%から2.6%に引き上げた。

市場は急落後も年初来のプラスを維持している。