2026/08/27

新築マンション高騰対策 転売規制と税負担強化2027


背景と政策

国土交通省は2027年度税制改正要望に新築マンション高騰対策を盛り込む方針を固め、実需に基づかない投機的取引への対応として名義貸し対策や転売目的疑いのある申込者への制限、一定期間の転売禁止(管理組合規則化)を検討した。

同省は所有期間が5年以下の短期売買に対する譲渡所得税のさらなる重税化を2027年度要望に提案した。

自民党は2026年8月25日の会議で上記方針を説明し、現行の譲渡所得税負担をさらに重くする案を検討した。

与党税制調査会は2026年年末までに新築マンション高騰対策の具体的制度を議論する予定である。

日本政府は住宅価格の上昇を理由に2024年以降マンション転売規制を発表し、同時に相続登記義務化と相続土地の国庫帰属制度を導入した。

現行制度と税制改正案

所有期間が5年以下でマンションを売却すると、譲渡所得税が通常より重くなる仕組みが現行制度として存在する。

税制改正案では、短期転売(5年以下)を対象に譲渡所得税の重税化をさらに進めることが提案されている。

令和8年度税制改正案では、相続開始から5年以内に購入したマンション等の評価を購入時価格の80%にする案が検討され、評価基準を「路線価+建物固定資産税評価」から購入時価格基準に変更し、評価額を2割減額することが提案されている。

市場動向と価格要因

不動産経済研究所のデータによると、2024年の新築マンション平均価格は1億1347万円で初めて1億円を突破し、東京都23区の中古マンション平均価格は1億円を超えている。

  • 建築資材価格の高騰
  • 労働費の上昇
  • 供給数の減少

これらがマンション価格の高止まりの構造的要因となっている。

香港、シンガポール、台湾の富裕層は東京住宅を割安と評価し、円安が投資魅力を高めた結果、2023年から2025年にかけて同地域の投資家が新築マンションを集中購入した。

大手デベロッパーは「同一マンションの購入は一人1戸まで」「購入後3〜5年転売不可」「第三者への譲渡制限」等の自主的転売規制を導入し、引渡し前の即転売・フリップ取引の増加に対応している。

住宅ローン金利が1%上昇すると、購入可能物件価格が約10〜20%減少し、月返済20万円の場合は3,000〜4,000万円の価格減少が見込まれる。

業界・団体の対応

不動産協会は2025年をめどに購入から引渡し前の転売を原則禁止する指針を策定し、違反時は契約解除や手付金没収を定め、加盟各社が順守を目指す。

千代田区は2024年末に不動協に投機目的転売規制を正式要請し、再開発マンションに一定期間の転売抑制と投機的購入排除を事業者に要請した。

全宅連等の不動産業界団体は名義貸し・転売目的の排除、悪質ブローカー対策、実需者への住宅供給促進策を強化している。

投資家の反応

投資家はマンション転売規制発表に対し怒りを示した。

安藤恵子氏は即転売は市場の一部であるが、価格高騰の主因は資材高・人件費高・供給減であると指摘した。

伊藤健吾氏は転売規制により実需層の購入機会が確保され、短期売買資金流入が減少する可能性が高いと評価した。

複数のアナリストは、供給減、建築費高止まり、都心土地価格競争、海外投資家需要により短期的な価格下落は見込みにくいと述べた。

海外・相続税比較

  • オーストラリアは非居住者の中古住宅投資購入を禁止している。
  • ニュージーランドは原則として同様の購入を禁止している。
  • 令和6年にマンション評価が引き上げられ、タワーマンション節税防止の個別通達改正が実施された。
  • 不動産小口化商品が相続税節税策として利用されている。
  • 専門誌・新聞は令和8年度税制改正で相続税対策に注目が集まると予想している。

課題と展望

IMF元チーフエコノミストは日本の金融危機を警告し、スルガ銀行不正融資問題(かぼちゃの馬車事件)や日本銀行の金利引き上げが報道されている。

建築資材価格上昇、労働費上昇、供給数減少という構造的要因により価格高止まりが続く可能性がある。

短期的な価格下落は見込みにくいとされる一方、政策と業界の共同規制は投機的転売の抑制を目的としている。