2026/08/27

鹿児島中学指導死裁判:違法判定と慰謝料33万円争点


事件の概要

鹿児島市の公立中学3年生(男子、当時15歳)は、2018年9月に夏休み宿題の一部未提出を理由に担任の女性教諭から職員室で個別指導を受けた。その指導後、帰宅直後に自宅で自殺した。

教育指導の内容

担任教諭は未提出を理由に叱責した。裁判長は大声での叱責が2、3回程度で長時間に及んだわけではないと指摘した。

裁判長は「大声でしかったり、威圧的に接したりする必要はなく、教育的効果も期待できない」と評価した。教諭は「目の前の大人が真剣に向き合うことが毅然とした指導だ」と述べ、遺族はこれを違法・不適切な指導と主張した。

特別調査委員会の報告

遺族側の要望で設置された特別委員会は、担任教師による個別指導が自殺の引き金になったと結論付けた報告書を作成した。

裁判所の法的判断

鹿児島地裁(前原栄智裁判長)は、指導が正当な指導の範囲を超えていたと認定し、違法と判断した。自死の予見可能性は認めず、指導と自殺の因果関係はないとした。

市に対し33万円(約30万円)の慰謝料支払いを命じ、判決日は2024年8月26日である。

争点と因果関係

本訴訟の争点は、指導の違法性の有無と、担任らが自殺を予見できたか(予見可能性)である。遺族は指導が自殺の直接的な引き金であると主張した。

損害賠償請求と金銭的側面

遺族(母親)は市に対し約6,580万円の損害賠償を求めて訴訟を提起したが、判決により前述の金額に減額された。母親は金銭的な問題ではなく、違法な指導への評価が争点であると主張した。

判決に不服として福岡高等裁判所宮崎支部へ控訴する方針を表明し、記者会見で「望んだ結果ではない」「まだ頑張る」「弱音を吐きたくない」などのコメントを行った。

今後の対応

  • 鹿児島市は前述の慰謝料支払い義務を負い、弁護士と協議の上で対応を検討中。
  • 遺族(母親)は国会・文部科学省に指導死の再発防止を要望し、控訴手続きを進めている。